航空機業界の現状、生産態勢、今後の需要
日本における航空機業界の現状
航空機業界は長期期に成長産業です。しかし昨年のパンデミックで短期・中期的には需要の大幅減が見込まれます。日本国内について触れるます。
国内航空機生産額【出所 日本航空宇宙工業会】
2020年度(速報値) 12,634億円(19年度比 32%減)※官需は除く
航空機は官需もあり、需要は大きく変化しないが、その額は小さく民需回復が航空機業界の復活となるものと思われる。また、国内航空機部門は宇宙分野における業務を行う。しかしその金額は約3,200億円です。
【参考】航空機生産額の内訳
防衛需要 5,057億円(前年比 1%減)
民間需要 7,576億円(前年比 44%減)※
※ボーイング787の機体部品生産の35%は日本企業が納入
コロナ後の航空機需要(予測)
【出所 国際航空運送協会(IATA)】
「世界の旅客需要がコロナ前の水準に戻るのは24年」と予測
つまり、国内航空機生産の回復は次年度以降となる。とは言えワクチン接種が進み、需要は急速に戻りつつあるとほとんどの日が感じているはず。なのに、なぜここまで航空機需要の回復が遅いのかもう少し補足する。
◯航空機運航の再開による「エンジンメンテナンス」などの需要回復
❌新規投資に時間を要することから新造機生産に係る回復は時間が必要
航空機生産は、以下の3つ区分(部品)される。
1 エンジン 2 機体 3 装備品
それぞれは生産基盤が異なりが、それら1から3を組み上げる企業(プライムメーカー)が生産再開をしないと部品製造メーカーの需要回復にはならない。
上図は、民間航空機製造に係る主要プレーヤーである。頂点にあるプライムメーカーが生産しないとその部品メーカーに需要が発生することがなく、回復は遅れるばかりです。
最後に、航空機業界の市場規模がわかる資料のリンクを貼り付けます。参考にしてください。
https://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/kouku_uchu/data/doko_timing.pdf