アークス 2021年2月期本決算
グループ概要
北海道及び東北に拠点を置くスーパーマーケット8社と事業会社1社を擁する食品流通グループ。東北は青森と岩手において首位であり、ローコスとーコスト経営に取り組み、M&Aも積極的に実施し8社を抱えるに至る。
2002年 ラルズ(札幌)と福原(帯広)が経営統合、(株)アークス設立
2004年 道南ラルズ(函館)、ふじ(旭川)がグループに加入
2009年 東光ストア(札幌)が加入
2011年 ユニバース(青森県八戸市)、篠原商店(網走市)加入
2012年 ジョイス(岩手県盛岡市)加入
2014年 ベルプラス(岩手県盛岡市)加入
2019年 伊藤チェーン(宮城県柴田町)加入
2021年2月末現在、グループ店舗数は344店舗(北海道220店舗、青森県38店舗、岩手県68店舗、秋田県1店舗、宮城県17店舗)である。
売上高の推移
上述のようにグループ企業を増やし年々そのシェアを拡大、2011年決算において年商3000億円。2016年で5000億円を達成。
北海道及び東北(青森、岩手)における地域シェアは、下図の通りであり、概ね全体の3割前後である。
本決算の概要
今期は増収・増益であり、
売上高 5,569億46百万円(対前期比7.3%増)
経常利益は195億3百万円(対前期比41.9%増)
売上総利益は1,431億49百万円(前期比9.2%増)、売上総利益率は25.7%(対前期比0.5ポイント増)であった。増益の要因は、既存店売上高が堅調に推移し前期比5.5%増。また、期間通算の客数が前期比3.1%減少するも、客単価は前期比8.9%増加し、緊急事態宣言発出期間における販促企画を自粛することで営業利益を押し上げた。
今期の特徴として、
巣ごもり需要は増加し、内食需要が増加
消費者心理の冷え込みによる節約志向や低価格志向
でああった。一方、客単価は高止まりの状態が継続する。
また、需要予測型の自動発注システムの導入拡大などDXを推進、システム統合によるグループ各社のシナジー追求を推進中。生鮮食品及び加工食品の共同調達による原価低減、限定商品の開発、消耗資材・店舗什器・備品などの共同購買による継続的なコスト削減を実施中である。となりました。
今後の見通し
感染拡大のリスク、個人消費含む社会経済活動の回復の遅延が営業リスクとなる。食品小売業界として価格競争の激化、業界再編の動きもさらに進展する状況にある。
グループとして注目すべきは以下2つ。
更なる地域シェア拡大のため取り組み
DX推進
シェア拡大は東北6件以外の地域でも注目。また、店舗業務を効率化するなどマーケティング戦略を強化・推進への取り組みも実施しており、
本年4月、栃木県を中心にスーパーマーケット31店舗を展開する(株)オータニとの経営統合。展開地域を北関東へと拡大を進める。
このことから、増収を見込むものの、厳しい経営環境と上記の先行投資の影響を考慮した見通しを開示している。
売上高5,720億円(対前期比2.7%増)
営業利益162億円(対前期比8.7%減)
経常利益180億円(対前期比7.7%減)
当期純利益111億円(対前期比14.4%減)