何もない僕を愛してくれた人へ。
高校生の時から気になっていた人がいた。
卒業と同時に玉砕覚悟で告白した。
ただ好きだと伝えるだけでよかった気持ち半分。
付き合えたらいいなが半分。
1日置いて返事が来て、それからお互いを苗字で呼び合っていた僕らは下の名前を呼び合うことになった。
それでも長い間培ってきた「友達」の関係性が強くて、1年半もそこから抜け出せずにお別れをすることになった。
それから、また地元の集まりで再会した僕らは再出発をすることができるようになった。
最近はやっと半同棲のような生活スタイルで一緒にいる時間も多くなった。
今が僕は彼女のことが1番好きなんだけれど、彼女はどうなのかなとふと思う。
何も持っていない僕のどこがいいのだろうかと不安に思うばかりです。
何もなくても好きだよとか言う漫画の登場人物ばかりを見つめているわけにはいかない。
僕が生きているのはその世界じゃないから。
無償の愛とかあったら素晴らしいなと思うだけで実際信じているかと言われたら素直に首を縦に振れない。
ただそれが信じれている世界が歌の世界に広がっていて僕はその歌声から耳を離せなくなった。
イヤホンから聴こえてくる、そのメロディーは僕が今まで触れてきたものとは異質なもので戸惑いが先に来た。
でも、言葉を伝えることを最重要としたメロディーだった。
演奏技術も音楽には欠かせないものだとわかっているが、楽器を一切触れない僕はやはり歌詞が一番のカギになっていた。
今持っているもの、自分の武器、自分の職業以外を見て好きになってくれた人たちに贈る歌だった。
何もない自分を好きなってくれたお礼に今の自分で向き合いたい。
同じく何もないむしろマイナスな僕のことを好きになってくれた人たちに何ができるだろうか。
いつか、これが自分の武器だと、これであなたを幸せにすると誓えるようなものを自分のものにしたい。
欲望ばかりが大きくなっていく。
それだけではだめなのも知った。
それを形にしたくて下手な文章書いています。
「恩学」 MOROHA