AB社コラム第67回:若い世代が動いてくれない理由②
前回に続いて、多くの組織幹部の悩み「従業員が動いてくれない(特に若い世代)」についてです。
若い世代は、経営陣や管理職世代の人たちをロールモデルだとは思っていません。いくら叫んたどころで、誰も聞いていない。では何を見せていけばよいのか?という点についてお話します。
指揮指導は受けても、支配をされているわけではない。
今の時代、政治も、経済も、環境も、この先どうなるかわかりません。
古くは「奴隷は鎖の太さを競い合う」と言われました。
しかし、これからの時代は、太さを競っていてもサバイバルできない(らしい)ということだけは、若い世代はネットなどで刷り込まれています。
しかし、どう具体的に行動したら良いのかわからないから、サバイバルに役立つことを示唆してくれる人についていきたいと夢想し、勘違いして付いていったりします(示唆してくれる人の組織に転職する)。
自分の客観的な状況を知ってもらえた。
自分なりに改善方法を考えたら、褒めてもらえた。
などにより、指導指揮命令は受けるが、支配をされているわけではない、と感じることができれば、人は張り切ります。
その逆に、自分が受け継いだやり方で支配しようとする人に付いていくことはありません。
面従腹背あるのみ、です。
サバイバルして生き延びようとしている背中を見せる。
では、若い世代にはどんな姿を見せていけばよいのか?
それは、必死にサバイバルして生き延びようとしている姿です。
若い世代がどうすればサバイバルできるか、それは誰にもわかりません。
だから、昔の先輩と違って管理職世代が後輩にサバイバル方法を教えることはできません。
その代わり、自分自身が何とか生き延びようと、いま懸命に努力を積み重ねているという事実を見せることならばできます。
若い世代は、その努力をしようともしていない人々の言うことは、決して聞きません。聞くだけ時間の無駄だから。
今の管理職世代の中で、勉強をしたり、新しいことにトライしたり、将来のサバイバルに向けて準備をしている人はどのくらいいるのでしょうか?残念なことに、そこまで多くはないでしょう。
そんな人に付いていこうというお人好しなんて、いないのです。
今の組織は、構成分子ではなく、意思を持つ「自分」の集まり。
前回の繰り返しになりますが、今の時代は「組織を変えよう、組織をサバイバルさせよう」としている人についていくのではありません。
今の組織は、組織を構成する分子の集まりではなく、意思を持つ「自分」の集まりです。
だからこそ、自分が変わる意義を見出せれば、組織も変わります。
新しいことにトライして自分を変えて、サバイバルしようと実践している人を見て、「自分もあんなふうに頑張らなくてはヤバいな」と思わない限り、若い世代が組織の話に意識と気力を割く余裕はありません。
管理職世代が、サバイバルへの努力を背中で見せてこなかったことが、若い世代が動かない本当の実相です。
「組織のために頑張る」という、もはや誰も付いてこないリーダーのようなフリをして見栄を張るのではなく、自分と家族の将来のサバイバルに向けて、いますぐ行動しましょう。
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