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AB社コラム第49回:プライドを踏みにじられた人は、不正を「正当化」する。

中高年社員に対する「リスキリング」が流行っている昨今。

しかし、「リスキリングの前にリプライド(Re:プライド)」が必要です。


そこをないがしろにして、
中高年社員のプライドをズタボロにしてしまうと、
“無敵の人”(byひろゆき)となり、
会社に大損害を与える可能性があります。


不正を正当化する思考回路とは?

個人情報が犯罪に直結してしまう昨今、
以前よりもさらにデータ管理に厳しい目が向けられるようになりました。

そのため、データ流出などの不正が起こると
企業の信頼は失われ、企業価値は暴落します。

なぜ、不正が起こるのか。

人が不正をする仕組みをモデル化した「不正のトライアングル」では、
不正リスクの要素を3つ挙げています。

1.機会
2.動機
3.正当化

これが揃ったところに、
目の前に「対象」があると、
麻雀で言うところの「ロン」。上がりです。

中高年社員のプライドを踏んでしまうと、
社内的には“無敵の人”となり、
この要素を揃えて、不正というゴールに「ロン」する危険性があります。

特に、プライドを踏みにじられた中高年社員の「正当化」はやっかいです。

「俺は(私は)こんなに会社に尽くしてきたのに、裏切られた。」
「これだけ会社に貢献したのだから、これだけお金をもらっても問題ない。」

など、自分自身が正義となる理由が生まれます。

「自分は悪くない。会社が悪い。」

となり、不正に手を染めます。

正当化の理由を与えてしまうと、自分の正義に基づいて「確信犯」になる。

企業は、社員がダークサイドに落ちないように、
内部統制(ガバナンス)を行います。

内部統制でするべきことは、
その1は対象を与えないこと。
その2が機会を与えないこと。

そして、忘れてはならないのは、
社員の不正を防ぐためには
正当化の理由を与えないようにすること。

正当化の理由を与えてしまうと、
「確信犯」
として、会社に損害を与える危険性があります。

データ流出や着服などの不正をすることは、
法律に違反することはわかっている。

しかし、自分の正義に基づいているので、
「法を犯す」という本来なら越えられないハードルをクリアしてしまう。

プライドを踏まないようにすることは、広義のガバナンス。

激変するビジネス環境を生き抜くために、
リスキリングを進めたい。
会社をDXで変えたい。

それはまったくそのとおりです。異論なし。

しかし、その過程でおじさんおばさんのプライドを踏むと
Transformation(変革)どころか
会社の存続に関わる大損害を被りかねません。

より広い意味でガバナンスを考えた時、
プライドを踏まないようにすること。

そして、このままではプライドを踏んでしまうなと思ったら、
「リプライド」を用意しておくこと。

「リプライド」がうまくいけば、
中高年はプライドのためには頑張る世代です。

貴重な戦力になるか、大損害を与える爆弾となるかは紙一重。

中高年社員のプライドには配慮を。
これをしっかり心に留めながら、DXやリスキリングを進めていくことを強く推奨します。


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