AB社コラム第50回:AIの普及で、明確に価値が下がる仕事がある。
ついにAB社コラム50回までたどり着きました!
50回の記念(?)に、最近大流行中のChatGPT界隈の話題をお話したいと思います。
人間にしかできないクリエイティブな仕事とは?
ChatGPTの出現は衝撃でしたね。
他にも、AIやロボットによる業務の自動化はどんどん進んでいます。
その結果、「ルーティンワークはAIに取って代わられる」「この職業はもうなくなる」など言われるようになってきました。
そんなご時勢でよく聞くのが
「人間は、人間にしかできないクリエイティブな仕事をしましょう!」
そうは言っても、いったい何が「人間にしかできないクリエイティブな仕事」なのでしょうか?
「レスポンス」の価値は、AIの出現により大きく下がっている。
ChatGPTは質問をすれば、あっという間に何でも答えてくれます。
これは本当に衝撃的だったので、
今はものすごくChatGPTが目立っていますが、
そもそも機械化というのは、「人間の働きかけに対して自動で応答してくれる」ことを目指しています。
例えば、
右足でアクセルを踏めば、クルマは動いてくれる。
セットすれば、7時になると目覚まし時計が鳴ってくれる。
何かしらの指示や刺激を与えると、それに応えてくれることを「レスポンス(Responce)」と言います。
今、この「レスポンス」の価値は、機械化や自動化により大きく下がっています。
少し考えるだけでも、「レスポンス」の仕事がいかに多いか気づきますよね。
買い物客がカゴを持ってきたら、会計する。
電話で問い合わせが来たら、対応する。
決算の時期になったら、必要な計算をして決算報告書を作る。
これらはすべて、AIが代わりにできるようになるでしょう。
現時点ですでにAIが代わりになっているものはたくさんあります。
さらに、「サブスティテュート」できることの価値が下がっている。
この「代わり」ができる、というのが重要で、
もうひとつ、レスポンスの中でも「サブスティテュート(Substitute)」できることは、価値が下がります。
他のことで代替できること、補完できることは、これからどんどん価値が下がっていきます。
これは、今に始まったことではなく、
人類は「サブスティテュート(Substitute)」と「オーギュメンテーション(Augmentation)=拡張」を、ずっと追求してきました。
大きなターニングポイントは産業革命ですが、
その以前から、縄文時代からすでに「もっとよいサブスティテュートを」「さらにオーギュメンテーションを」と繰り返してきています。
人間の手に持ちきれないから、代わりに器を作ろう。
器をもっと作りやすく、持ち運びやすいものにして、用途を広げよう。
この考え方の延長で、移動手段は電車や車になり、生活労働は家電になりました。この繰り返しで、人間がやることはどんどん減っています。
そう考えると、現時点、2023年5月段階の「人にしかできないクリエイティブな仕事」は、それがレスポンスの仕事である限り、いつか必ずサブスティテュートされます。
レスポンスの仕事は、あっという間に燃え尽きる。
昔はサブスティテュートされるスピードはゆっくりでした。
でも、現代は超スピード化。
レスポンスの仕事は、あっという間に燃え尽きてしまう可能性が高いです。
燃えている家に住んでいて、
東側が燃えたから西側に移動しよう、と考えても、いつかは燃え尽きます。
時の流れは止められないので、消防車は来ません。
レスポンスの家に住み続けている限り、
いつかは燃え尽きてしまいます。
レスポンスでは、AIに勝てません。
では、どの家に住めばサブスティテュートされないのでしょうか?
長くなりましたので、次回に続きます!