AB社コラム第28回:「変化なきべんり化」なら考えても良い。
1980年代に昭和ジャパンがDXの概念を提唱していたのにも関わらず、現時点でも日本でDXは進んでいません。
その歴史と理由について、引き続き考えていきます。
日本企業は「現場が底辺・経営が頂点」モデルとはまったく異なる。
ここでいう「DX」とは、もちろんすでに昭和ジャパンが提唱していた「データを生かした経営の高度化」のこと。
経済産業省のDXレポートでも、これを実現しないことには未来はない!と断言しています。
しかし、進まない。
いくらお国が旗を振ろうが、経営層が踊ろうが、「なぜこうなったのか」の歴史と理由を知らないと、建設的な議論をしたり、変化を説得することは難しいです。
いままでnoteでも書いてきましたが、サイロ化している日本企業では欧米のようなトップダウンのやり方は向いていません。トップダウンだからこそ実現できる《全体最適》《標準化》を唱えても、無理です。
日本企業の現場は「現場が底辺・経営が頂点」モデルとは、まったく違います。
経営層の言うことが「変化なきべんり化」なら考えても良い。
これが現実です。
進んだのは、「変化なきべんり化」。
前々回でもご紹介した1982年(昭和57年)に発表された「オフィス・オートメーションに関する一考察」(横浜商科大学の前川良博先生が)と題した論文の中では、「オフィス・オートメーションを手段と目的の両側面から捉えることが必要」として、すでに2つの「OA」が位置付けられています。
また、「狭義のOAを情報化の仕事と斉合させて広義のOAを実現させていくためには、手段志向から経営管理への貢献という目的志向が要求される」と書かれています。
しかし、現場は「変化なきべんり化なら考えてあげても良い」ということで、日本では狭義のOAがどんどん発達していったのです。
例えば、ワープロ。「変化なきべんり化」の象徴です。
(ディスっているわけではありません!)
「OA」の「Automation」ではなく、現場での「手書きの代わり」として発達しました。デジタル機器が「(ログ)データINPUT端末」「データ格納箱」とは、思いもよらなかったわけです。
建設的な議論をして、変化を説得するために。
なぜ、日本人はトップダウンではなく、サイロが向いているのか。
なぜ、こうなった(DXが進まない)のか。
その歴史と理由を知らずに、
「うちはとにかく古い体質なんで」
「しょせんJTC (Japanese Traditional Company) だから」
「現場はあほだから」
と、現状を否定しても、何も始まりません。
「プロのコンサルタントの先生がおっしゃるから」なんて、それで変わればとっくに変わってます。
建設的な議論をしたかったら、変化することを説得したかったら、まず「なぜこうなったか」の歴史と理由を知って、それをリスペクトすること。
まずはここからです。
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