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AB社コラム第32回:RPA導入が進まず、ブルシットジョブが存在し続ける理由。
4〜5年前、
「機械にできる作業は機械にやらせよう(RPAなど)」というブームが起きました。
私自身も、電通でRPAを導入し、その経緯やメリットを対外的に発表する機会もわんさかありました。
しかし。
ぜんぜん浸透しなかったのです。
RPAが浸透しなかった理由は、揺るぎないタコツボDNA。
ロボットや機械に置き換えられることはやってもらって、
ヒトはヒトにしかできないことをやる。
効率が良くなり、生産性が上がり、人間自身もラクになるはずなのに、なぜ浸透しなかったのか。
それは、前回noteに書いた「ツボ(ムラ)に所属しないと、日本人は生きていけない」に起因します。
「ツボ(ムラ)は、所属するメンバーひとりのミスで、全体にバチがあたることがある」のです。
全体にバチがあたらないためには、以下を心得る必要があります。
・ぜいたくするメンバーがいるとバチがあたる(=清貧至上主義)
・不謹慎にはバチがあたる(=ラクしようとしてはダメ)
・行き過ぎた人智にはバチがあたる(=科学を使ってラクしてはダメ)
・貨幣経済にはバチがあたる(=お金儲けをしてはダメ)
機械を使って、ラクをして、利益を出してはいかんのです。揺るぎない。
RPAについて話したとき、何度も言われたこと。
RPAの経緯やメリットを話したとき、何度も言われました。
「時間を売るヒトはいくらでもいる。
そのヒトたちは、高い機械を導入して時間が空いたとしても、
『ヒトだけができるクリエイティブな仕事』は決してやらないし、できない。
だって、子どもの頃からそんなことやったことないから、途方に暮れてしまう。」
「電通鬼十則の『仕事は自ら創るものであって、与えられるべきではない』というのは、すごく良いと思う。
でも、そんなこと言ったら『指導が足りない』『放置された』とパワハラで訴えられるかも知れない時代。
それなら、ブルシットジョブをしてもらう方が良い。」
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いまは「昭和97年」ならぬ「江戸419年」だと、何度も言ってきましたが、まさにこれ。
タコツボサイロに溶け込んで、追い出されないように、ツボ全体に迷惑がかからないように。
いまもその行動、考え方が染み付いているから、機械ができることは機械にやってもらってラクするRPA導入はなかなか進みませんでした。
最近になって、雲行きが急に変わってきた。
しかし。最近、少々雲行きが変わっています。多くの企業で、
「人がどんどん辞めていく。そしてまったく採れない。」
との話をよく聞きます。シンプルに人が足りなくなり、ブルシットジョブを担っていた人々もいなくなったので、「例の機械の話をもう一度聞かせて!」と。
もしかしたら、必要にかられてRPAの導入は進むかも知れません。
機械は自然への傲慢でバチがあたるかも知れないが、必要悪だから仕方ない、と考えてもらえるようになったのでしょうか。
ここからの動きに注目して、何かしらの変化を再び感じたら、またこのnoteに書いていきたいと思います。