みんなで作ろう!SAPノート 01-GR/IR
飼い主が監査をする犬、略して監査犬。飼い主は公認会計士で会計監査や会計関連の業務支援を生業としています。ITに滅法弱い飼い主がSAPについてnoteを書きたそうな顔をしています。
書評、個人的な読み物に続き、次はとうとう業務に関するnoteに挑戦したいようなので、皆様お付き合いください。
以下、監査犬はお役御免で、飼い主が話を書きます。
初めに
前書きが長いので、内容だけチェックされたい方はGR/IRの所まで飛ばしてください。
担当クライアントのシステムがSAPだったら
このnoteを読んでくださる方は公認会計士の方が多いかと思います。担当することになるクライアントのシステムがSAPと聞くとどう感じるでしょうか?うっ、と思うのではないでしょうか。
会計を主目的においていないシステムなのでわかりづらい(貴方の感想ですよね?)。期間で区切るという考えが他のシステムより弱いので使いずらい(偏見ではなく?)
そして監査でよく起こるのは、以下の状況です。細かい権限設定が出来るのでクライアントの経理の方も触れない勘定がある。そのため、勘定科目の中身を経理の方に聞いてもいまいちよく分からない。その勘定に権限を割り当てられている方は経理ではないので、会計のことは気にされていない。そのため、結局誰もわからない…。この増減理由は一体…。こんなことありませんか?
私がこのnoteを書く意義
正直なところ、私はシステム周りに強くはありません。実際にSAPに触っているわけでもありません。
広大なSAPの世界、泳げば泳ぐほど深い海に入り込んでいくような気持ちがしていきます。私は足首がつかる程度の深さなのですが。
そんな知識が乏しい私でもわかる、監査する上で知っておいた方が良いことについて書けば、SAP初心者の会計士に役立つのではないか、また経理の方は会計士が気になる部分を把握出来て、説明しやすくなるのではないか、同じような説明を何度しなくても済むなどはないかと考えました。
犬でもわかるSAPの知識ですね!
正直なところ、間違いも多いかもしれません。間違いを指摘され、何もわかっていないじゃん!と叩かれるかもしれません(怖い!)。SAPに詳しい経理の方はXに沢山います。
一方で監査をやる会計士でも知っておいた方がよいSAP知識について説明しているような便利な書籍はないと思います。ネットで調べても基本的にエンジニア向けであり、難しいかつ、仕訳の形など会計に関する部分はあまり触れられていない。
SAP素人の私一人が頑張ったところで意味はないと思いますが、このnoteを書くことによって他のの方が、『他にもこんなことを知っていた方がいいよ!』『そこは勘違いしているよ!』などのコメントしてくださったら、有意義なものになるのではないかと考えて、SAPに関するnoteを書くことにしました。だから題名も『みんなで作ろう!SAPノート』です。
GR/IR
前書きが非常に長くなりましたが、本題に入ります。(私にとって)記念すべき第1回はGR/IR勘定についてです。
GRはGoods received、IRはInvoice receivedの略です。
仕入の通過勘定で、モノは受け取ったが請求書が来ていないとき(GR)、請求書は来たけれど、モノが届いていない(IR)ときに使用する勘定だと理解しています。仕訳で記載すると、
★モノは受け取ったが、請求書が来ていないとき
Dr) 棚卸資産 / Cr) GR/IR勘定
請求書が届いて確認出来たら、
Dr) GR/IR勘定 / Cr)買掛金
上の二つの式を合わせると、
Dr) 棚卸資産 / Cr)買掛金
では逆の状況、
★請求書が来たけれど、モノが届いていないとき
Dr) GR/IR勘定 / Cr)買掛金
モノが届いたら、
Dr) 棚卸資産 / Cr) GR/IR勘定
合わせると
Dr) 棚卸資産 / Cr)買掛金
仕訳の順番が異なるだけで結果は同じ、ちゃんと請求書もモノも届けば、ゼロになるはずの勘定です。ただし、消し込みが正しくなされる必要があります。
飼い主の目
GR/IR勘定に古い借方残残っていれば、何故、モノが届いていないの(届いていないことになっているの)?
貸方残だったら、何故請求書が届いていないの(届いていないことになっているの)?
そして、残高が少なかったら重要性でパス!では済みません。
借方、貸方が相殺されているだけで、実際は数年前の借方残と最近の貸方残で少額になっているのでは?ちゃんと消込が出来ているの?
などと私はチェックしています。
これで貴方も、GRIRの話が出てきても理解しているような顔が出来るハズ。一方、私はこのnoteを書くことにより、自分でもあまりわかっていないことが良くわかりました。GR/IR勘定の借方残は未着品とどう違うの?(未着品勘定は未着品勘定で別途勘定があります)。
ご存知の方がいればコメントください。また誤っている個所があればご指摘ください。この記事を修正していきます。他力本願ですがどうぞよろしくお願いいたします。
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