「ようこそ映画音響の世界へ」感想。【ネタバレ有】
去年入手していたけど、なかなか機会がなくて昨夜やっと観れた作品。
一応、私も映像音声技術者の端くれなのでプロ目線の感想となってしまいますが。
まずは一言。
期待とちょっと違ったかなと。(これは私が勝手に妄想していただけですけど)
思ったよりさらっとして終わったかなというのが正直なところ。
前半。会社に「音の大切さ」を理解して貰えなかった状況のシーン。
あぁ。ハリウッドでもそうなのねと、めっちゃ共感したところ。
実際、私がMA担当をした初期の作品には「MA」のクレジットすらない。
台本にも明記がない。(日本では収録したミキサーさんが仕上げまで行う場合と仕上げ担当と分かれる場合とがある。これによってMA担当が全く違うことを求められているということをMAの会社の営業すら知らない。)(むしろ音響効果のおまけ的な存在であしらわれることも少なくない)
この作品でも、監督が音の存在に気がついたから発展したとされている。
本当にそれが救いかと。
面白かったのは「Top Gun」のSound Designの方が「本物を録ってきたんだけど思ったよりちゃちかった」という話。
あーこれあるあるだぁと笑ってしまいました。(最もわかりやすい例としては時代劇のチャンバラの音とか)
以下、私的に残念だったこと。
その1
ドルビーが一瞬でてきたけど、モノからステレオへ5.1へとドルビーステレオのことが抜けている。
その2
いろいろな作品を例に出しているのだが、なぜ70年代のパニックものなどが紹介されなかったのか。(「大地震」「サスペリア」など)
確か、そういった作品が音の醍醐味だったのではと思うのだが。
その3
Foleyさんも一瞬写真が出てきただけで紹介なし。これは切ないなぁ。
勿論この作品は一般大衆向けなので、初めて知る方々には楽しめる作品ではあることは間違いないでしょうね。