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オーディオブックカフェコラボ企画「リベンジ読書会」を開催しました!

2023年3月7日、audiobook.jpでは第3回目の開催となる読書会を完全オンラインにて開催いたしました。

今回は特別ゲストとして、audiobook.jpのオリジナルポッドキャスト「オーディオブックカフェ」のメインパーソナリティーである「鳥井さん」「F太さん」をお招きしたスペシャル版!

2022年12月から2023年1月にかけて行われた「リベンジ読書キャンペーン」の対象となった作品から、『medium 霊媒探偵城塚翡翠』と『一九八四年〔新訳版〕』を課題本として取り上げました。
それぞれの本について、深い考察が飛び交った読書会の模様をレポートでお届けいたします。

audiobook.jpの読書会とは

audiobook.jpの読書会は「読書の学びを深める」をテーマとし、「自分の考えを言語化する」「多角的に読み直す」を目的として実施しています。そのため、オープンマインドで話すことはとても重要です。

今回の読書会でも、課題本をしっかり聴き込んできて、意見や考えをしっかり開示されてお話しされている方ばかりだったので「確かに!」「なるほど~」という声が多く上がっていました。

課題本①『medium 霊媒探偵城塚翡翠』

今回の課題本は2冊あり、いずれかを選択して、希望の本ごとに部屋が分かれる形式の読書会でした。

課題本のひとつ『medium 霊媒探偵城塚翡翠』は、「このミステリーがすごい! 」1位をはじめ、多くの賞を受賞するなど大変話題のミステリー小説。

推理作家として難事件を解決してきた香月史郎は、死者が見える女性・城塚翡翠とともに、連続殺人鬼に立ち向かっていく物語です。

「すべてが伏線」というキャッチコピーの通り、終盤では大きな衝撃が待ち受けていると好評を博しています。

読書会は課題本の読破を参加ルールとしているので、話す内容もストーリーの核心に触れるものが多くありましたが、ここでは原作未読の方も安心してお読みいただけるよう、ネタバレに配慮して話し合いの内容をお伝えします。

まず感想として、皆さん「どんでん返し」なストーリーに驚いたと口を揃えて語りました。
また、「最後まで聴き通してから表紙を見ると、表紙の城塚翡翠の表情に納得した」という気づきの共有には「確かに!」という声が上がっていました。

このほか、「どこで犯人がわかった?」という問いに対して、こんなやりとりがありました。

「自分は推理小説をよく読むので、割と序盤から(真犯人を)容疑者の一人として考えていました」

「僕も序盤から(真犯人を)疑っていましたね。登場人物が少ない物語なので、犯人に該当する人をじっくり考えるとこの人になっちゃうなと。でも、そういう部分が推理小説好きな方へのトラップでもあるんですよね。うまい作りになっていると思いました」

「私は序盤では全然気づかなくて、終盤の方で気づきました。翡翠ちゃんの性格的にこんな行動とるかな?という部分で、やっと真犯人への違和感を持ちましたね」

犯人に関する話題では制作担当者から制作の裏話や苦労話も飛び出し、「そんなに大変なんだ」と驚く声も。

「実は出演声優の方と小中学校時代に同級生だったので、オーディオブックで聴けてうれしかった」といった参加者の方の身の上話なども交えつつ、ネタバレ満載の話し合いは終了しました。

課題本②『一九八四年〔新訳版〕』

もう一冊の課題本『一九八四年〔新訳版〕』は、2021年共通テストで出題され話題になった、二十世紀ディストピア文学の最高傑作です。

“ビッグ・ブラザー"率いる党が支配する全体主義的近未来。ウィンストン・スミスは真理省記録局に勤務する党員で、歴史の改竄が仕事だった。
彼は、完璧な屈従を強いる体制に以前より不満を抱いていた。
ある時、奔放な美女ジュリアと恋に落ちたことを契機に、彼は伝説的な裏切り者が組織したと噂される反政府地下活動に惹かれるようになる。

というディストピア世界を舞台としたストーリーで、「こんな未来もあり得るかもしれない」と思わせる小説です。

作中には「テレスクリーン」とよばれる監視カメラのようなものなど、多くの機械が登場します。そうした作品だからこその、こういった感想も出ていました。

「この小説を読むと、やっぱりAIとの関係性を考えちゃいますよね。最近はチャットGPTみたいな、すごいAIのソフトがたくさん出てきたじゃないですか。『一九八四年』は人間が人間を管理する仕組みでしたが、今我々はAIに仕事や生きがいを取られるかもしれないという問題に直面していますよね。AIに我々が使われる・AIに教育される未来がありそうというか。だから、AIやAIに詳しい人に自分たちが管理される未来が、現実にあり得そうと思いましたね」

「自分がこの小説と付録を読んで感じたのは、言葉が奪われるということは思考が奪われること。自分で考えて言葉を紡がなければ、どんどん考えることができなくなってしまうのかもしれないと感じた」

こうした感想には「確かに!」と感心の声が多く上がりました。
また、深読み上級者の参加者からは、作中に出てくるサッカリンや砂糖の価値について、現代での価値と作中での価値の比較があがり、新たな視点に驚きの声が上がっていました。

このほか、こんな話題でも盛り上がりました。

「AIの発展によって、『一九八四年』のようなディストピア世界に近づくと思いますか?」

「こういう世界になってほしくないとは思うし、僕はAIは救いになってくれると思う。というのも、将棋の藤井壮太さんがAIと対戦することで強くなってきたんですが、現在、藤井さんとタイトル戦で対戦している羽生さんがすごく善戦しているんです。その強さの理由を聞くと、羽生さんはAIが打たない手を研究したんだとか。AIと人間がそういう共生関係を結べれば、未来は明るいんじゃないかなと感じました」

「羽生さんは人間代表ですね笑。AIを正しく活用することで、人間は成長するかもしれませんね」

「ディストピア世界とユートピア世界は表裏一体の関係だと思う。見方次第でディストピアにもユートピアにも見えるなと。あと、人間はAIを使う人と使われる人に二極化するとは思うけど、どちらも見方によっては幸せかもしれない。だから、AIの発展によって『一九八四年』の世界に近づくかもしれないけれど、見方によってディストピアにもユートピアにもなると思います」

「僕は、AIが人間を上回るのは自然な流れだと思います。だから人間とAIが対立すると思われがちですが、最終的にAIって電気がなければ動きませんよね?人間がコンセントを抜いてしまえば動けなくなってしまう。だから、AIはあくまで人間の補助で、人間が支配されるほどには発達しないと思います」

このように小説と現代を比較しつつ、大盛り上がりの話し合いは終了しました。

最後に記念撮影♪

「1時間半があっという間!」という声も

参加してくださったユーザーの皆様には後日、読書会のアンケートにご回答いただきました。

「本の感想を存分に語り合えて楽しかったです。議論がより広がり・深まるように運営の方がリードしてくださったおかげもあって、自分も考えが次々に浮かんできて、それもまた刺激的でした」

「長編ミステリーはあまり読まないのですが、読書会が良いきっかけになりました。オーディオブックの作り手側から裏話なども聞けて楽しかったです」

「少人数制だったので、一人ひとりの意見をじっくり聞けて良かったです」

など、満足のお声をいただきました🎉
また、中には

「1時間半があっという間だったので、2時間あっても良いくらいと思った」

という嬉しいお声も!
読書会への参加で、充実した時間を過ごしていただけたようです。

次回の読書会は3月23日(木)19:00~20:30に開催予定。3月の期間限定聴き放題になっている読みたいことを、書けばいい。を課題本に、著者・編集のお二人をゲストにお迎えするスペシャル会です✨

今回は参加を見送られた方や迷われた方も、ご都合があいましたら下記のバナーから応募フォームに必要情報を記載のうえ、奮ってご応募ください!
応募締め切りは3月20日(月)までとなります。

こちらのバナーをクリックしてご応募ください!

これまでの読書会のレポートnoteはこちら💁‍♀️


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