過干渉で子離れができない母親
私の母親は、私が成人して一人暮らしをするようになってからも、子離れができず、とにかく過干渉であった。
電話がつながらないと分かれば、読む気も失せる位、長文メールを日に何度も送ってくるのだった。
私は最近まで、そのせいでとても悩んでいた。
「親」というのが特別な存在であるので、関係を絶ったりしてはいけないのだと、ずっと思い込んでいた。
私はクリスチャンで、その事を牧師先生に相談することがあった。物理的な距離を取っても良いと言われた。
私は電話、メール、LINEなどの連絡手段を絶った。だが、住所は知られているので、ハガキが頻繁に来るようになった。
最初は、ハガキを捨てるのは酷い事だと思い込み、読めば体調が悪くなるのを分かっていながらも、無理に読んでいた。
次第に郵便ポストに内容までは分からないが、母親の書いた文面を見つけたら、できるだけ見ないようにするようになった。だが、捨てるという事は罰当たりだと思い込み、本棚の隙間に押し込んでいた。
ある日、あまりにも頻繁に来るので、そのハガキを握り潰して捨ててしまった。心なしかスカッとしたような感じがした。
それからというもの、ハガキを握り潰すということが、自分にとって良いことだと感じるようになっていった。と同時に、母親に対してかなりの苛立ちを抱いていた自分にも気がつかされた。
母親からの呪縛から解き放たれ、ようやく自分と向き合うということができるようになったような気がする。
私は長い間、とても苦しんでいたのだろう。
この関係が改善する日が来るとは今は全く思っていない。
今は、とにかく距離を取りたい。