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Gemini LT会登壇~分析設計にGeminiを組み込む~

みなさん、こんにちは。サービス統括本部データソリューション部でデータサイエンティストをしている奥野です。

弊社では、生成AI利活用促進の取り組みの一つとして「Gemini社内LT会」を定期開催しています。
先日そこで「分析プロセスにGeminiを組み込む」というテーマで発表させていただきましたので、今回は、その内容を紹介します。

(オンライン)社内LT会の様子

導入

まずは分析業務の流れの中で、Geminiと人がどのように協業できるかを整理しています。

分析業務の流れとGeminiの役割

これが正解、というのがある話ではないですが、「判断をする部分」というのは人の役割として残るんじゃないかなと考えています。

分析設計におけるGeminiの役割

今回のLTでは、分析業務の中でも、特に「分析設計」におけるGemini活用方法に焦点を当ててお話ししています。

分析設計におけるGeminiの役割

分析設計の目的は、ふわっとしたビジネス課題をデータ分析技術で解ける問題に落とし込むこととなります。
この作業をGeminiに相談しながら進めることで、より効果的に分析設計を進めることができると考えています。

▶ここで期待できる効果は「クリエイティブななにか」
Geminiは、自分では思いつかないアイデアも含め、圧倒的な速さで、何度聞いても文句を言わずに列挙してくれるので、人間はその精査と判断に集中できるようになります

分析設計のフェイズでは、コスト削減効果のようなものは狙わないほうがよいかなと考えています。ここでGeminiを使う理由は、考えられる範囲を広げることだと思っています。

具体例の紹介

前置きはここまで。
ここからは具体的なビジネス課題とタスクを与えて、分析アプローチ方法のアイデアをもらうことを考えます。
まずは以下のようなプロンプトでGeminiに相談しました。

Geminiプロンプト例

Geminiの回答はこんな感じ(抜粋、生成AIなので、聞くたびに違うことを言うと思います)

・・・・・
2. 集客効果の分析

各マーケティング施策における、新規顧客と既存顧客の訪問者数を比較分析します。

新規顧客の定義: 施策開始日以前に訪問履歴のないユーザー
既存顧客の定義: 施策開始日以前に訪問履歴のあるユーザー
指標: 施策期間中の新規顧客訪問者数、既存顧客訪問者数、新規顧客訪問者数比率
これらの指標を施策ごとに集計し、可視化することで、各施策が新規顧客と既存顧客のどちらの集客に効果的かを把握できます。
・・・・・

まずはかなりざっくりと指針をいくつか提示してくれました。

ここに条件を付けていきます。
「同じユーザが複数の施策を訪問するんだよなあ・・・」

Geminiプロンプト例

Geminiの回答(抜粋)

・・・・
4. 重複を考慮したユニークユーザー数の集計

各施策ページについて、訪問したユーザーを重複なくカウントします。
例えば、ユーザーAが施策ページXとZを訪問している場合、施策ページXとZのそれぞれにユーザーAをカウントするのではなく、どちらか一方のみにカウントします。
・・・・

うーん、それはわかっているのよ。。。もう一声ほしいですね。
「ユニークユーザー数の集計」について、より具体的な方法を検討するために、以下のようなプロンプトで追加の質問をしました。

Geminiプロンプト例

Geminiの回答(抜粋)

・・・・・
2. **訪問順序を考慮した重み付け**
(一部省略)
    例えば、最初に訪問した施策ページに重み1、2番目に訪問した施策ページに重み0.5、3番目に訪問した施策ページに重み0.25のように設定する。
    重みの設定方法は、時間減衰モデルや位置ベースモデルなどを参考に、ビジネス要件に合わせて調整する。
・・・・・

おお、大分具体的なところまで落ちてきましたね。

この先、更に「時間減衰モデルの具体例を教えて」というような具合で不明点を手軽に聞いて、手法を比較していけるのはかなり便利だと思います。

このように、Geminiと相談・討議を進めることで、自分だけでは思いつかなかった分析の論点を深堀りし、より品質の高い分析設計を行うことができると思います。

Geminiとの対話で得られた気づき

Geminiを使う上で、今回私が特に重要だと感じたのは「対話」です。
Geminiに質問するだけでなく、その回答に対してさらに質問を重ねることで、より深い知見を得ることができます。

また、Geminiとの対話を通して、気が付かなかった視点や新しいアイデアを得ることもできます。

Gemini活用の恩恵として真っ先に思い浮かべるのはコスト削減でしたが、今回のケースのようにクリエイティブな効果を発揮する場面もたくさんありそうです。

状況に応じて使い分けができるといいですよね!

LT会を終えて

今回のLT会を通して、分析設計におけるGeminiの活用方法について、参加者の皆さん&この記事をご覧の皆さんと共有することができ、大変嬉しく思っています。

1月にはこの続編として「SQL実装・データ可視化・モデリングへの活用」をテーマにしたLT会を開催予定です。また記事にして共有したいと思っていますので、第二弾もぜひご期待ください!

さいごに

今回のLT会、実は弊社の社長もこっそり(?)参加されていたようで、最後に一言コメントしてくれました。
現場だけでなく、経営層も含めた全社でGemini活用を促進していこうという一体感が垣間見えた瞬間だったのかなと思います。

今後もGeminiを積極的に活用し、業務効率化や新しい価値創造をより一層加速していきたいと考えています!(この記事も半分くらいGeminiに執筆してもらいました!)

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