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データ分析の扉を開こう!非エンジニア・非アナリストのためのSQL勉強会

サービス統括本部プロダクト戦略部の壱岐です。
今回は同部でSQLの勉強会を実施したので、その勉強会の内容をご紹介いたします。


データ活用時代に生き残るために

 現代では、どんな職種でもデータ分析スキルが求められ、マーケティング戦略の効果測定や新機能開発、サービス改善など、あらゆるビジネスシーンで、データに基づいた意思決定が重要視されるようになっています。
「根拠となる数字は?」「その結果のエビデンスは?」
そんな質問に自信を持って答えられるようになりませんか?

 私たちのチームでも、サービス向上のため、Google Analytics(GA)やBigquery(BQ)を活用したデータ分析を行っています。
しかし、メンバーの多くは、元々はエンジニアやアナリストではありません。そのため、分析スキルにばらつきがあり、業務が偏ってしまうこともありました。
そこで、非エンジニアでもBQを使ったデータ分析ができるように、SQLの勉強会を開催しました!

 この勉強会を通じて、SQLの基本から実務で役立つ分析スキルまでを学び、チームのメンバーがデータに基づいた論理的な思考力と問題解決能力を向上させていきたいと思っています。

SQL未経験からデータ分析屋へ~私の成長ストーリー~

 元々、私はディレクターやプロダクトオーナー(PO)を担当しており、データ分析などをはじめからできるわけではありませんでした。しかし、当社でDX推進の機運が高まり、データ利活用に関わる部門に異動になったことをきっかけに、3年前から分析業務に携わるようになりました。

 当時は、BQに触ったこともなく、SQLも書いたこともない初心者でした。そこで、まずいくつかの書籍を読み、基本的な構文を学びました。その後は、ネットで公開されている練習問題をひたすら解き、分からない点はサイトで調べて解決しながら、知識を深めていきました。その後、さまざまなクエリを試行錯誤を繰り返し、複雑なクエリも書けるようになり、今では業務で扱うような大規模なデータ分析や経営陣向けの報告の分析や調査まで行うまでに至りました。

 この経験を通して、SQLを学ぶことで、データ分析スキルを身につけるだけでなく、論理的な思考力や問題解決能力も高められることを実感しましたので、今度は部内のメンバーにもSQLを学び、スキルアップしてもらいたいと思い、今回の勉強会を企画しました。

SQLマスターへのロードマップ

 今回の勉強会では、初めてSQLを扱う人が多かったので、基礎的な学習から実務で扱えるレベルの応用問題まで書けるようになるまでの4つのステップで構成しました。

STEP1:SQLの基本構文を理解し、簡単なデータ抽出ができるようになる
 
まずはSQLの基礎を覚えてもらうために、SQLの基礎的な書き方の形を覚えてもらうようにします。

  • 実際の業務でよく使うデータテーブルにどのようなデータが入っているか一緒に確認します。

  • SELECT文の書き方を伝え、データベースからデータを取り出すための構文を解説します。

  • 条件絞り込み (WHERE句)、条件分岐 (CASE文)、集計関数 (SUM、AVG、COUNTなど) などの構文を解説します。

SQL基本構文の説明スライド

 このSTEP1の基本構文さえ理解すれば、ひとまずSQLを使ってデータ抽出まではできるようになります。まず基礎のところを徹底的に解説しました。

STEP2:サンプルコードを参考に、データ分析パターンを習得する
 基本の形を覚えてもらったら、次のSTEPとして、テンプレートとなるサンプルコードに部内で利用している実際のデータを当てはめてデータ抽出しました。

  • サンプルコードをベースに対象のデータテーブルを書き換えたり、取りたいカラムを書き換えるだけの実際のデータ抽出業務を実施してもらう。

  • 初めは、集計関数や四則演算などの簡単なものから入り、最終的にはJOIN句を活用した結合やユーザー定義関数(UDF)の活用までの内容を実施しました。

 STEP2ではサンプルコードを書き換えるだけなので、初心者の方でも比較的簡単にデータ抽出などを行えるようになります。このSTEP2の学習を通じて、社内の実務のデータ抽出でもサンプルコードを書き換えて実施するレベルのものであれば、参加者のほとんどは勉強会の中だけで分析業務が行えるようになっていきました。

STEP3:演習問題を通して、SQLの実践的な活用能力を身につける
 
STEP2でテンプレートとなるサンプルコードを利用した分析ができるようになったら、次は、実際の業務でも使っているデータ活用し、オリジナルの演習問題を作成し、その演習問題を自身の力でSQLで書いて実際に調査結果を出してもらうところまでを勉強会の中で実施してもらいました。

  • 実務との関連性も高く、イメージもしやすい問題を採用し、そのまま実際の業務に繋げられるような演習問題を作成しました。

  • 難易度的にも難しいものもありましたが、わからないところは、その場で直接説明したり、解答例を解説していきました。

 STEP3で1つ1つ演習問題をクリアしていってもらうことで、自力でSQLを使って分析ができたという自信をつけていくことができ、データ検索、データ抽出、データ結合までの業務ができるようになります。

勉強会での演習の様子

STEP4:実際の業務でSQLを活用し、継続的な学習とスキル向上を図る
 STEP4に関しては、勉強会の中で実施したものではないですが、SQLを取得するのに私が一番大切に感じているのは、とにかく手を動かすことだと思っておりますので、STEP1~STEP3までで学習した内容を活かして、今度は現場のデータ分析を各自に実施してもらうように促しました。

  • STEP3までで学んだ基礎をベースに、まずは実際の業務の中で、たくさんSQLを書き、業務で必要なデータ抽出やデータ結合を実施してもらう。

  • 最初は間違っていてもいいので、まず独自でSQLを書いてもらい、書いたものをお互いにレビューし合う。

  • SQLをレビューし、エラーや間違えを指摘し合うことで、知識の共有が促進や人のコードを読むことによって新たな発見につなげる。

 私達の部内では勉強会が終わった後、この進め方を推奨して、各自のスキルアップに繋げていけるようにしていっております。

 STEP1〜STEP4までのステップを踏んでもらうことで、今までSQLを触ったことのない人でも、データ抽出・データ分析・データ可視化など分析業務で求められる基本的なスキルは身につけていくことができました。もちろん、専門的な領域まで踏み込むにはより高度なスキルは必要になりますが、PdMやプランナーなど非エンジニア職のメンバーが課題把握や仮説調査などを行うには十分なデータ分析スキルは身につきます。

SQL勉強会を終えて

 SQLの勉強会を終えて、参加者から勉強会の感想や今後実際の業務でどう活用していきたいかを伺っていきました。

■勉強会の参加者からの感想

  • 業務でよく使うデータを使った演習で参考になった。

  • 基礎から説明と演習があり、STEPごとに段階的理解が深まった

  • SQLの図解での説明もあり、理解が深まった。

  • 演習の時間を十分にとっていたので、おいていかれることがなかった。

  • 応用編のJOINやUDFなどの演習が難しかったため、復習の時間を設けてスキルを身につけていきたいと感じた。

■今後活用してみたいこと

  • 基本構文を活用して、主要面のキーターゲットの傾向分析や広告影響の調査などの活用したい。

  • シーケンス分析などお客さまの行動分析に活用したい。

  • 複数のデータを結合して、過去の購買商品や閲覧商品の詳細分析に活用したい。

 今回STEPごとに図解した説明や演習をはさみながら、勉強会を進めたことで参加者の理解度をあげるのに効果的でしたので、今後勉強会や講習を実施される方は、参考にしてみると良いと思います。
また、応用レベルの学習のところに関しては、過去の経験によって学習スピードに差があるため、勉強会後のフォローしていくことも大切になると参加者からのフィードバックを受けて感じました。

データ分析でキャリアアップを目指そう!

 最近では、GeminiやChatGPTなどの生成AIを活用し、分析設計やSQLの書き方のアドバイスをもらうことで、データ分析をより効率的に行える環境が整いつつあります。例えば、従来よりもスピーディーに分析設計を行ったり、SQLの構文エラーを減らしてコーディング時間を短縮したり、より精度の高い分析結果を得たりすることが可能になって来ています。
 auコマース&ライフでも、生成AIを導入したり、社員のデータ分析スキル向上を支援する取り組みを積極的に行うことで、自部門で必要とされるデータ分析を行える人材育成に力を入れています。

 SQLは、データ分析の基礎となる重要なスキルです。SQLができるようになることで、必要なデータを自由自在に抽出することができ、データに基づいた意思決定を行うことができるようになります。SQLを理解しているのと理解していないのとでは、業務効率や分析の精度に大きな差が生まれますので、ぜひSQLをマスターし、自身のキャリアアップに繋げてください。


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