これは本心なのだろうか
前回書いたのは、昨今の自粛生活の中でかつて執心していた物事への意欲が減退した人がいると聞いて、それは自分が周りから取り残されることへの恐れ(FOMO)が消失した結果だろうと思ったという話。この投稿文を書いたとき、私にしては珍しく自分自身のことはほとんど書かなかった。
私にもこの自粛生活が始まる前と比べて意欲が減退してしまったことがある。悲しい話なのだけれど、それは家族と会うことだった。
10代まではとにかく親から離れるのが不安で嫌だった。20代に入って一人暮らしを始めてからも、海外にいた一時期を除いて必ず月に一度か二度の頻度で実家に帰るか外で家族と食事していたくらいなのに、今はそうしたい気持ちもなくなった。
最後に会ったのは2ヶ月ほど前のことで、かつてなら絶対会いたくなっていたはずなのだけれど、今では母から連絡を受けることすら鬱陶しく感じる。体調は大丈夫か、食事と睡眠はしっかり取れているかと何度か聞かれているけれどまともに返事していない。母の日のことは妹に丸投げして自分は何もしなかった。母だけでなく父にも、妹にも、かなりの高齢になった祖父母にも会いたいと思わなくなってしまった。
正直なところ本来ポジティブな気持ちになれるようなを見てもこういう気分になる。
この心理は先ほど書いたFOMOとは違うと思うけれど、昨今の異常な事態の中で生じた変化の一つではある。こんな感情、10代や20代の間に抱くことはなかった。この状態が一時的なもので時間が経てばまた会いたくなるのかどうかは、現時点では分からない。
5/31 追記
この土日は実に3ヶ月ぶりに実家に帰っていた。両親に実際に会ってみれば特に以前と変わりなく、実家で暮らしていた頃と同じように一緒にご飯を食べて話すことができた。
結局のところ私は以前のように「人生が順調であるようなふり」をするのに疲れていて、どう自分の実態を開示しようかと迷っていたのだと実感した。そのときの考えを文章化したのが今朝の投稿だった。