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生まれて初めてスマホを紛失しかけて大いに焦った話
今回は本当に大した話でない。おとといは事情あって普段より2割くらい多い荷物を持ってジムへ行った。いつものようにロッカーを選び、荷物を預け入れて着替えてからジムエリアへと向かった。16時過ぎのことだった。
それから1時間半ほど経って私はロッカー室へ戻り、シャワーを浴びて併設されたサウナに入ってきた。心身整った状態で支度をし、18時前にジムを出たように思う。
そこから徒歩5分ほどの駅へ行き、電車に乗り込んだ。そこそこ混雑する時間帯ではあったが、始発駅だったおかげで座れた。
リュックサックを開け、スマホを取り出そうとする。
しかし普段スマホを収容するポケットに、私がかれこれ5年間使用しているASUSのAndroidはなかった。
(あら、奥の方にしまっちゃったかな? )
そう思って鞄の底まで手を突っ込むが、それらしきものが出てこない。
(あぁ、最近冷え込んできて冬物のコート着てきたから、そっちのポケットにしまっちゃったか。)
そこにもなかった。
(えっとこれ少しまずいぞ。)
そうする間に発車時刻となり、電車が動き出す。それからの約10分、私は気が気でない状態で過ごした。
乗り換え駅で降車すると私は鞄をホームのベンチに置き、中身を出して本当にあのZenPhoneがないか探しまくったがやはり見つからなかった。
最後にスマホを触ったのはジムへ行く直前に電車を降りたとき。そこでリュックサックを開けてスマホをしまった記憶はない。ズボンないし上着のポケットに入れただろう。
そうした状態でジムのロッカー室に行くと、私は決まってポケットの中身を出して衣類と別にしてロッカーに突っ込む。その時点でスマホを紛失していればおそらく気づくだろうから、きっとロッカーに入れはしただろう。
もしそうでなければ、もう本当にどこへやったか分からない。これではとんでもないことになる。
そう考えて戦慄しつつ、私は再びジムへ向かった。
受付にて事情を伝え、ロッカー室に入らせてもらった。私が使っていたロッカーは既に別の利用者が使用しているようだった。
うーむ、ここからジムエリアへ行って213番のロッカーの使用者を探し回るのは迷惑かと思い、そのまま待つことにした。普段の待ち時間や移動時間にはすぐスマホを手に持ってしまうところだが、今はそれができない。不安は募る一方だった。
それから1時間が経って、私の使っていたロッカーを開ける利用者が現れた。比較的大柄の壮年の人だった。
恐る恐る私はその人に声をかけ、ロッカーの中を見させて欲しいという。向こうは少々面喰らったようだが、不審に思われることはなくロッカーの戸を開けたままにしてくれた。
探すまでもなく私の2019年製ZenPhoneはそこにあった。
いやー、まるで九死に一生の気分である(大袈裟か)。
「あぁありました!これです😅 ありがとうございました。」
「そうですか、よかったですね。自分のことだと思ったらヒヤヒヤしますよ。」
いや本当ですよ。こんなにヒヤヒヤしたのは何年ぶりか。
パッと見て分かったのが色のことで、スマホの背面とロッカーの内側の色が似通っていて照明の当たらない暗いところにスマホを置いたために目立たなくなっていた。
しかもその日は普段持たない荷物もあったことで、そちらに注意を引かれてスマホの存在を見落としたのだろうと自己分析した。
先ほど受付で話したトレーナーさんにも挨拶し、私はその場から発った。既に19時半を過ぎていた。
ちょっと予定は狂ったけどこれで安心だと思いつつ今度こそ帰路につく。
こういうときに救われるのは、日頃の行いが善い人なんじゃないかと思う。困ったときに周りが協力してくれるのは普段から感じ良く、行いも良くしている人であるだろうから。
今回は幸い持ち物をどこに置き忘れたかの見当がついてそこを探せばよかったが、より大ごとになったときには誰かの助けも借りねばならないだろう。そういうときに周りが憚ることなく手助けしてくれるような人でいたい。
ここまで書いていて、これが「情けは人の為ならず」の精神かと思った。