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西インドに来た理由

アウランガバードを経由し、インド・ブージに到着。
私が西インドに向かっていたのは、ここブージに来るためだったのである。

ブージは、インドのお隣の国パキスタンに近い場所に位置しており、それ故いろんな文化が交じり合っている。

目的の1つは、個性的なファッションの少数民族。
目的の2つめは、ホワイトラン(塩砂漠)である。

まずはブージで評判の良いゲストハウスにチェックインし、"インドのウユニ塩湖"と呼ばれているホワイトランの情報収集をする。

愛想が良くも悪くもない宿のオーナーに、「今、ホワイトランに行ってもただの海だぞ」と忠告される。そして行くには車をチャーターする必要があるとのことで、予算の都合上1人で行くのは難しいと思われた。

とりあえず、しばらくはゆっくり"少数民族の村巡り"をし、一緒にホワイトランへ行く人を待ってみることにした。

ブージ観光1日目
明日からの少数民族の村巡りのため、張り切ってカッチ博物館に向かうが、その日は休み。予定を変更して、お城とヒンドゥー寺院を見に行くことにした。

私が訪れたヒンドゥー寺院"スワミナラヤン寺院"は、立派な門の奥にあり、白く輝くお城のようだった。大理石がふんだんに使用されており、頭上には大きなシャンデリア、細かな彫刻も見ごたえたっぷり。あまり期待していなかったことも重なり大満足だった。

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ブージ観光2日目
今日こそ、明日からの少数民族の村巡りのため、カッチ博物館に向かう。ここにはたくさんの少数民族の衣装の展示がされている。私自身はお洒落ではないが、お洒落な衣装を見るのが好きな私にはとても楽しい。この中から、どの民族に会いに行くか決めて、情報収集をする。(と、前に来た旅人のブログには書いてあった)

この日宿に帰ると、朝に出会った日本人グループが集まっていた。「一緒にホワイトランに行きたい」とお願いすると快諾してくれて、ガイドとどこに行くかの話し合いにも同席させてもらった。3日後に、ホワイトランと周辺の村巡りに行く。思いのほか早く予定が決まり、自分の強運を改めて感じた。

ブージ観光3日目
今日からいよいよ村巡り。と言いながら、普段、観光地にしか行かず、コミュニケーション力・ゼロに等しい私なのでどうしていいか分からないがとりあえず向かう。

早速だが目的は「ラバリ族」が多く住んでいるという街。
ブージからローカルバスに乗って4時間、予想以上に時間がかかって、明るいうちに帰れるか、帰りのバスがあるか終始不安だった。乗務員に聞いたら「次が15時半、その次が16時、最終が18時」とのこと。目的地到着は14時半。ようやく辿り着いた場所は人がいっぱい、村というより街だった。

それでも会いたかったラバリ族の女性らしき人達は見かけたような気がする。インドの定番サリーに混じって、色んな個性的な衣装の人が行きかっているので見分けがつかない。

ラバリ族の女性のトップスの後ろ側は背中全開で紐で結ぶタイプ。黒いショールで頭と背中を覆っているが、時折風になびいてセクシーだ。幅が10cmぐらいのバングルを付けていて、既婚女性は体にタトゥーを入れていた。単体で見ればかわいい衣装なのだが、彼女たちは媚びることなくそれらを当たり前にかっこよく着こなしていている。

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その後、現地のおじさん集団とチャイを飲み、カタコトの英語とカタコトのヒンディー語で会話。急いでバスターミナルへ戻り、16時発のブージ行きのバスはどれかを聞いたらなんと18時までないとのこと。18時のバスを待っていたら、17時発のプライベートバスがあるというのを教えてくれた人がいて、21時にブージに無事帰ることができた。初めての村巡り、ガイドブックに無い旅はハラハラした。

今更ながら、スタート地点のブージのバスターミナルにいた時点でもおそらくラバリ族や少数民族は見かけていた。あえて言うなら、一緒なバスにも彼女達は乗っていた。

ブージ観光4日目
ブージから近い郊外の村巡り。目的は「アヒール族」だ。バス1本で目的の街には到着した。しかし彼女達はどこにいるんだろう。キョロキョロしていると若い男の子の集団がチャイを飲んでいた。「アヒール族に会いに来た。ベリービューティフルなドレスのウーマンはどこ?」と英語で特徴を述べると、「この裏通りにいるよ」と教えてくれた。

礼を言って行ってみると、チラリとカラフルな洋服を来た女性が通りを通過した。(あれはもしや…)接近してみる。またチラリとカラフルな洋服を来た女性が通過した。アヒール族発見である。

その通りを進んでみると、小さな女の子が顔を出した。その女の子もカラフルでかわいい衣装を着ていた。そして、家の敷地に入って刺繍などの手芸をしている様子を見せてもらった。みな普段着とは思えない衣装でめちゃくちゃオシャレで、手芸もとてもキレイだった。

その後も通りを歩いていると、「写真撮ってもいいわよ」と気さくな女性達がいた。この地域の女性は、誰かの家に集まって手芸をするのが主なようだ。

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さらに、少数民族が作った商品を取り扱っているお店が揃っている地域があり、そこにも少数民族が暮らしているという情報があったので、再度バスに乗って異なる地域へ。

店と併設している生地の工房を見学させてもらった後、住宅街を歩いていると個性的な衣装に身を包んだ女性登場。こちらの女性は「写真を撮りたいならマネーマネー」と言った感じで商売型。あいにく私はお金を払ってまで写真を撮りたいという欲望はないので目で楽しませてもらった。

ブージ観光5日目
ホワイトランと周辺の村巡り。一緒に行く日本人グループは「インドいかへん?」という旅企画のご一行。

この日はガイドさんも一緒で効率よく少数民族に出会うことができ、旅企画の代表の方が通訳もしてくれたので快適だった。遊牧民やダリットと呼ばれる不可触民の村、覚えきれないほどの民族に出会えた。

そして、待ちに待ったホワイトラン。
宿のオーナーの忠告通り、この時期は「ただの海」だった。ウユニ塩湖的な気配は皆無で、グループの1人が試しに湖に入ったら泥まみれになっていた。それでも蜃気楼や鳥が水面を浮くように歩く光景など、見たことのない美しい景色が広がっていた。

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とりあえず、これでブージでのミッションは全て終了した。

多くの日本人は着物という伝統的衣装を日常生活から失くしてしまいつつあるが、彼ら少数民族には伝統衣装を守り続けてほしいと個人的には思う。彼らにとっては日常なので観光遺産のような目で見てほしくはないかもしれないが…。

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※2016年9月7日~11日 インド・ブージー
「Over30女子バックパックでアジア周遊」

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Lakshmi
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