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マータラの呪い

スリランカで始めの滞在地・ゴールから、次に向かうのは「キャンディ」。

通常、ゴールからキャンディへ行く場合、コロンボを経由して行くルートがメジャーだ。というか、それしかなかったはずである。

しかし、私はコロンボからゴールへ来たのに、再びコロンボに戻るのはどうしても納得いかず、インターネットで他のルートが無いか調べた。すると、"マータラを経由すれば、バスでキャンディへ行ける"という情報を手に入れた。(よし!この方法で明日キャンディへ行こう!)と決断し、翌日から滞在するキャンディの宿(3泊分)を予約、次の日朝イチでマータラに向かう。

2016年7月23日
ゴールのゲストハウスのスタッフに、マータラ行きのバス停の場所を訊ね、問題なく乗り込む。そして無事マータラに辿り着く。

話しかけてきたおっさんに「キャンディへ行く。バスはどこ?」と聞くと、「キャンディ行きのバスは今日はない。明日の朝ならある」と言われる。マータラに泊まらざる負えない状況。そのおっさんは「ここの近くにいい宿があるから案内する」と言い、マータラの情報はまったくなかったのでついて行くことにした。だいぶ歩いて辿り着いた。部屋を見て価格も許容範囲だったので私はそこで一晩だけ宿泊することにした。

宿についたのは昼過ぎぐらいだったが、当初行きたかったキャンディに今日辿りつけないこともあり、ドッと疲れが出て昼寝をすることにした。

しかし、さきほどこのゲストハウスを紹介したおっさんが部屋に来て、「今日はフェスティバルだ。今からパレードだ」と言い出した。(正直、行きたいが眠い)ということで、「あとで行く」と言った。うとうと眠りモードに入る頃、またノックをして「いつ行くんだ。早く」と急かすおっさんの声がする。「じゃあ行かないっ」と言って断る。寝る。

昼寝から目覚めたころ、ここマータラには"島に浮かぶお寺がある"と聞いたことを思い出す。せっかく来たのに寝て過ごしてはもったいないと思い、テンションあがらぬまま街へ繰り出す。

お寺がある島に行くまでのビーチには、微笑みながら楽しそうにしているスリランカ人のカップルがいっぱい。非モテ女にはなかなか辛い光景である。

島に浮かぶお寺に辿り着いたが、フェスティバルをやっていそうな雰囲気は微塵もなかった。

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偶然立ち寄った露店の店主に話しかけられるが、どうもこの日の私はローテンションだったので、ご飯を食べてさっさと宿へ帰ろうと思った。

宿へ帰ってシャワーを浴びてネットをして、早々に寝る準備をして電気を消した。寝にかかったころ、部屋をノックする音がした。相手はこの宿を案内したおっさん。「開けてくれ、ちょっと話をしよう」と。「私はもう寝るから、おやすみ」と答えると、「ちょっとだけだから」と粘って来た。このおじさんはことごとく間が悪く、私の眠りと自由を妨げる。無視して寝る。

2016年7月24日
今度こそマータラからキャンディへ向かうつもりで早起き。
宿を紹介したおっさんはバスターミナルにいた。そのおっさんは当初乗れと言ったバスとは違うバスに乗るよう言った。そして私がバスに乗り込むとついて来て「チップ」と言い出した。

おっさんは、自分が紹介した宿に私が泊まることでマージンを得ているはずだ。それなのに眠りを妨げられ、不快極まりない時間を過ごした私は、この人にチップを払う気はさらさらない。ということで「ノー」と一喝した。

バスはマータラを出発し、さらにもう一回乗り継いで、辿り着いたのはエッラという街。乗り継ぎに時間がかかったせいもあり、ここに着いたのはもう夕方。

ここから最終の電車でやっとキャンディに行けると思い、出発までの時間にバックパックを持ったまま観光することにした。

エッラには、当初キャンディへ行った後に来る予定だったので、こんな弾みでは来たくなかった。しかし、せっかく来たので、とりあえず「リトルアダムスピーク」という山に向かうことに。

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コースを歩き始めるが、上り坂・上り階段が大っ嫌いな私にとって、重たいバックパックを持ちながらのハイキングは辛過ぎた。したがって途中で引き返す。

すると、そこに不真面目そうなトゥクトゥクドライバーが現れた。
「最終でキャンディへ行く」と話すと、「最終でキャンディへ行ったら深夜になるから泊まった方がいいよ」と言われる。

前のバス停で聞いた情報では"キャンディまでは4~5時間"だから、キャンディには夜には着けると思っていた。しかし、持っていたガイドブックのコピーには"7時間かかる"と書いてあり到着が深夜になることが判明した。キャンディには今日も行けないので、止む負えずエッラで宿泊することにした。

2016年7月25日
今日こそ「キャンディ」へ行く。夜が明けきる前、早朝に駅へ向かう。吠えながら追いかけてくる犬に怯えながら早歩きで。無事に電車に乗り込み、茶畑を眺めながら、私はやっと「キャンディ」へ辿り着いた。

"来た道を戻りたくない"という無駄なポリシーを捨て、あっさりコロンボを経由すれば半日程度でキャンディへ行けたのに、2日以上かかってしまったのであった。

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※2016年7月23日~25日 スリランカ・ゴール~キャンディ
「Over30女子バックパックでアジア周遊」

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Lakshmi
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