映画鑑賞記録(2024-No.012)

2024/10/06 「きみの色」、「ふれる。」

なんだかんだで観るタイミングを逸していた前者と、今週封切された後者のタイミングがあってハシゴしてきました。
ハシゴといっても、1館でできればよかったのだけど、前者は車を少し走らせたとこにあるとこで、後者はいつもの行きつけのとこでの鑑賞でした。



「きみの色」

8月30日に封切され、観たい観たいと思いつつも観られていなかったのをようやっと観ることができました。
既に4週を超えて公開終了も間近なので、少し多めに。

全体として、色味的にやさしく、音はスパイス的、って感じな印象。
主人公の1人、とつ子ちゃんの感性が特異なものではあるものの、その感性に振り回されることなく穏やかでマイペースでありながらも相手を思いやれるやさしさが調和したステキな娘さんの目線で描かれる物語り、って所感。
個人的な手前勝手な物差しではあるのだけど、彼女にとっての幸いは、優しく理解ある両親に恵まれ、包容力のある友だちや先生に恵まれて…何より、自分自身の感性を正しく理解し、他の不理解を悲観することなく、よいものを素直に感じとれる心根に育ったことかな、と…
ほか2人の主人公たちも含め、人生の分岐点に立つ多感な頃の貴重で幸せな出会いと一緒に過ごした日々が描かれていて、その幸せのお裾分けをもらった様な気にさせてくれる鑑賞後感でした♪

つい今し方にこれを書きつつ腑に落ちたことなのですが、終盤の既視感、「天使にラブ・ソングを…(原題: Sister Act )」だな、と。
全然、全く、物語りのベクトルすら違いますが、そう感じました(笑

蛇足、ではあるのだけど…
トリプル主演の若手俳優さんたち、悪くなかったです。どなたもアニメ作品へのキャリアは皆無っぽいけど、違和感を覚えることはありませんでした。
脇をかためる本職声優は言うまでもなくすばらで、御一方お笑い芸人の方もほぼほぼ違和感のない声演で安心感がありました。
(客寄せの為かな?、って感じは拭えませんけれども。)
(ぼくらのアンパンマンも、いつも以上に彼女の色を落としてた様に感じました。知らずに観て気付ける人はいないんじゃないかな?ってくらい。)
ですが…シスター日吉子役の新垣結衣さんだけはちょっと…
大事な役処だけに厳しめの言になってしまいますが、役が勝ちすぎるというか、少しばかり違和感を禁じえなかったというか…(若かりし頃にバンドをしていた)シスターという人物像の作りこみが浅く感じてしまい(邪推にほかならないけども)…Goサイン出したのは山田尚子監督と音響監督さんかもですが…少し浮いてる感覚でした。
(ネガばかりもなんなので、ちょい追記)
1点だけ。終盤の、ライブが始まる前に3人に声をかけるシーン。曲への考察を早口でまくしたてるシーンは頬が緩みました。そこは特によかった。
シスターとしての静謐さと、生徒たちへの慈母的な内に秘めた熱というか…しろねこ堂でのきみちゃんとの邂逅や、合宿という助け舟を出したときなどなど…もうちょっちこう…なんとも表現できないのがもどかしい…数多のドラマで活躍されている新垣さんならもっと…と思ってしまった次第でした。
(追記、終わり)
手前勝手な感覚なので、悪しからず、です。


「ふれる。」

往年の、話題作トリオの最新作、というふれこみ?だったかな?
あの花」も、「ここさけ」も、「空青」も、一応全部観てはいるので、観ないわけには、などと思いつつの鑑賞。
公開初週の為、ネタバレなし(たぶん)で控えめに。

奇しくも、「きみの色」と同じトリプル主演。御三方とも非本職声優ってのも同じく。すいません、どなたも私の守備範囲外で全く知りませんでした。
悪くはなかったと思います。絶賛するほどの佳さを感じませんでしたが、演者に私が求めるのは異物感のなさなので、個人的には「きみの色」のトリプル主演の御三方へと同じくして最大の賛辞に近い。
有名な本職声優さんの場合は声が知られているからこそ、そこが難しいとこで、こと異物感のなさを醸し出す技術に関しては一日の長がありますから、評価のベクトルがちょっち違って、また別の話し、であります。

個人的最注目ポイント、謎生物「ふれる」がも~かわいくてかわいくて…
終始目で追ってしまいました(笑
お風呂掃除のシーンたるや…そこが私のイチオシです♪

ふれる以外に注目したのは、2人のヒロイン。
ヒロインの一人、白石晴香さん演じる鴨沢樹里。
第一印象で損をしてしまうタイプに思えるけど、腹をわって話すと一番親しまれそうな姉御肌というか…一番の良識人、だと思う。まぁまぁ好き(笑
なんとなくだけど、とても田中将賀さん色の強いキャラに感じました。

もう一人のヒロイン、石見舞菜香さん演じる浅川奈南。とても好き(笑
見た目の別はあるものの、どっちのヒロインもお姉さんキャラだったんね。
で、どうしてこういう娘さんが”ビッチ”などと呼ばれなきゃいけないのか…
男性側の不理解甚だしく憤りすら覚える。
相手を慮ることを優先するあまり自分の意思をちょっち蔑ろにして流されてしまいがちなのがよろしくない、とは思うけども。
小動物系なので体格が勝る男性が強くでてくると恐怖から身体が動かなくなりそうだとは思うけど、Noと言える気概と、噛みついてでも拒否して逃走をはかれる心構えをもってもらいたい。
そうはいっても、なんもかんも、質の悪い阿呆な男が悪い。

そういえば、エンドロールで知ったのですが…
とある有名楽曲が劇中で流れてたっぽい…
全然気づけなかった…orz(鼻歌?)

テーマとしては、「相互不理解」だろうか?
言葉を尽くしても完全に相互理解することは難しいのに…
言葉なしに相互理解できることができたなら…そんなお話し、かな。
ことの顛末は、ヤキモキする気持ちもありながらもよかったなと思える終わり方、かな…彼らの日々はそれぞれに、これからも…


どちらの映画もベクトルこそ違うけれど…
「きみの色」「ふれる。」ともども好きな映画の一つになりました♪

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