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オトとアト/3.対人関係について
前回まではオトとアトの似ている面についてお話しました。今回は、むしろ真逆とも言える面について書きます。
オトは本人もnoteで述べているように、属するコミュニティが少なく対人関係が狭いです。これの大きな要因の一つはオトが抱える精神疾患です。社会性が低いため、意図せず他人を傷つける、ニュアンスが汲み取れず愛想を尽かされるといったことが起こります。オト自身が他人に興味がないこともあり、コミュニティを自ら広げることなく、保とうともしないので、一度属しても時間とともに関係性は薄れていきます。
アトの対人関係は普通または広い方です。アクティブなコミュニティに複数所属しているので、あちらこちらに顔を出して、お話したり、共通の趣味活動をしたりしています。初対面の人とも話せますし、人前でプレゼンをしたりするのも得意な方です。しかし、あくまで隠キャであり、クラスのキラキラした中心人物ではありません。私はもともとは極度の人見知りで、親しい人以外の前では足がガクガクするような生き物でした。いろいろなきっかけがあり努力して今はほぼ完治しています。ちなみにオトは初対面の人の前でも平然としています。よっぽど興味が無いのでしょう。
オトとの大きな違いは、「他人に興味があるか」という点です。オトが他人に無関心な一方、私は関心があります。正確に言うと、他人の「心理」がとても興味深いのです。
これを「人間観察が趣味」と表現するのは、軽々しい気がしてあまり好きではありませんが、「どういう思考でその行動をしているのか」を考えながら、コミュニケーションをとっています。相手の性格(初対面なら見た目の特徴など)を踏まえ仮説を立てた上で、相手の表情を見て、言葉を聞いて、情報を整理して、意図を汲み取ります。相手の心理がわかると、次に起こすアクションの予測や、どういうアプローチが効果的か推測ができますし、相手から信頼されやすくなるので、社会で何かと役立ちます。
とはいえ、別に他人をコントロールすることは目的ではなく結果的に得られたハックであり、純粋に自分と異なる人間に興味があるだけです。それで趣味で心理学の本を齧ったり、カウンセラーや精神科医の話を読み聞きしたり。推理ものやサイコホラーも好きです。私のこの性格によってオトのアウトプットを補助しています。
もう少し話を掘り下げると、人に興味を持たざるを得なかった理由があります。「人が怖かったから」です。前述の通り私は人見知りで、人が苦手でした。オトも人が苦手なので、ここまでは同じです。そこから人を避ける方向にシフトしたのがオトです。私はというと、人が怖かったので、相手に合わせることで自分が傷つけられないようにしてきました。様子を伺いながら行動しているうちに、無意識に相手の性質を分析していることに気づき、そこから人間に興味を持っていったのです。
また、オトという生き物に出会ってから他人の思考への興味は増しました。オトは奇想天外で、私の想定と異なる挙動が多いため、私の中でオトへの先入観(仮説)を常にアップデートさせる必要があります。それが研究のようで面白く、日々オトと話すだけでも心理学の勉強をしているようです。
このあたりの話は語りだすとキリがないので、このへんで。次回も引き続きオトとの違い・活動面についてお話します。