【国家資格キャリアコンサルタント】論述問題への取り組み方
このブログでは、国家資格キャリアコンサルタント論述問題(キャリアコンサルティング協議会)への取り組み方についてお伝えします。
非言語的コミュニケーションに惑わされない論述問題。
過去問に正面から取り組むことで、面接試験はもちろん、実際のキャリアコンサルティングにも活かせるキャリコンマインドを鍛えることができますよ!
実技対策の考え方
学科対策は過去問をベースに周辺の知識学習+広がった試験範囲の確認を進める方法で明確かと思いますが、実技対策については、どう取り組んだらいいかお悩みの方は多いと思います。
①ロープレ動画を見る
YouTubeなどではたくさんの講師が、ヒントを教えてくれています。ただし動画視聴は一方通行です。見た動画を、どう解釈し、どう試験に活かしていくのかは自分次第であることを忘れないようにしましょう。
②無資格者同士でとにかくロープレの回数を重ねる
「知っている」と「できる」は、違います。学んだことを自分がどのようにアウトプットできるのか、やってみて確認することは欠かせませんね。また、相談業務をする雰囲気に「慣れる」という意味では、ロープレ回数を重ねることはとても大切です。特に、緊張して力が発揮できないタイプの方は、緊張を味方につけるトレーニングとして有効でしょう。「緊張している」という自分を理解し、受け入れることから始めましょう。
③論述対策に取り組む
上記2つ①②の方法は、実技対策として多くの方が取り組むと思います。
ただ、これまで受験されてきた方々からは、こんな声が多く聞かれました。
「動画を見てまねしてやってみてもしっくりこない」
「ロープレの回数だけを重ねても、なんだかもやもやする」
「何ができて、何ができていないのか分からない」
皆さんはいかがでしょうか?
そこで、早い段階で「論述試験を紐解くこと」をおススメしています。
論述の問題を通して1つのキャリコンのプロセスにじっくりと向き合うことは、基本的なキャリコン思考を鍛える事例検討としてとても有効です。非言語的コミュニケーションに惑わされずにプロセスの検討ができます。
そして、論述試験の+1点が合格に近づく1点です。
1点~3点の得点不足に涙を呑む受験生が非常に多いです。
という訳で。
抜かりなく、論述試験過去問へ取り組んでみましょう!
ケアレスミスを回避する
◆解答は全て解答用紙の行内に記入すること。
裏面などに記入したものは採点されません。
○A4サイズ原寸の解答用紙をプリントアウトして、実際に書いてみる。
○試験当日に使用する予定の筆記用具を使って練習する。
○文字を書く感覚をつかみ、解答内容を行内に納められる文字の大きさを確認する。
○問題用紙の枠内部分は1行42文字。ご参考に。
◆試験当日は緊張と焦りで思わぬミスを招きがち
○誤字脱字などのミスがないようにチェックし、読みやすい文字を心掛けましょう。
〇当日使用する文具は早めに準備し、使い慣らしておきましょう。
・鉛筆/シャープペンシル ・消しゴム ・時計機能のみの時計
問題への取り組みのコツ!
=================
【設問1】相談の概要(2行/10点)
=================
👆POINT👆
面談記録全体を通して把握できる、相談者がこの面談で相談したいことを記述します。
「相談の概要」(略A)の記載に相当する内容です。
「相談者情報」と同じ内容は省略しつつ、不足している部分を補います。
💡差がつくPOINT💡
回答した「相談したいこと」から、「相談者がどうなりたいのか」=「目標」を見立てておきましょう!
また、「この面談で」という言葉に問われていることを把握して回答しましょう。
=================
【設問2】キャリアコンサルタントが行った応答の意図(2行/10点)
=================
👆POINT👆
キャリアコンサルティングの中で行われる対話における、キャリアコンサルタントの応答の重要性を知り、その意図を把握できるかどうかが問われています。
キャリアコンサルティングの限られた時間、キャリアコンサルタントが行う関りにはすべて「意図」があります。
今回のキャリアコンサルティングの進行の中で、どのような役割を果たしているのかを考えましょう。
💡差がつくPOINT💡
第21回までは下線部Bは「質問」でしたが、第22回から「応答」となりました。
「下線部B」が「それまでの相談者との対話を通して把握できたこと」から、CCが何をどのように見立てて関わっているのかを回答しましょう。
=================
【設問3】①相談者の問題(2行/10点)と②その根拠(3行/10点)について、相談者の言動を通じて、具体的に記述せよ。
=================
👆POINT1👆
「相談者の抱える問題の把握」については、試験範囲の細目にも何度も出てくる重要項目です。「問題」とその「根拠」を別々に聞かれています。
②根拠については、「相談者の言動を通じて」「具体的に」から、事例記録に記述されている内容を引用、もしくは要約する形で回答に盛り込みましょう。
👆POINT2👆
相談者がどんなに「不快・不満・困っている・思った通りでない・すっきりしない・分からない・迷っている」状況であったとしても、「今後に向けた行動が何かしらできている」なら、何が問題と言えるでしょうか。事例記録から読み取れる範囲を超えた見立て、をしてはいけません。
「問題」として考えられることの解決すべき優先順位を考えましょう。
💡差がつくPOINT💡
①に根拠をくっつけていませんか?
また、ここで挙げた問題が【設問1】で見立てた目標=「相談者がなりたい姿」になれないハードルである、と言えそうですか?
「問題をクリアした先のなりたい姿」がずれていないか、確認しましょう。
②では、事例記録の内容を引用、もしくは要約して根拠としますが、なぜそれが「問題」となるかの、キャリアコンサルタント視点の解釈や見立てが必要です。「相談者の言動を通じて、具体的に記述せよ」であり、「相談者の言動を記述せよ」ではありません。
例えば、②相談者が「正社員は安定している」と言っている。これを根拠に、①「仕事理解の不足が問題」と記述したらどうでしょう。どうして「正社員は安定している」と言っていることが「仕事理解不足」として今回の相談者の問題になるのでしょうか。
情報の偏りからくる正社員への思い込みや「正社員」=「安定」というイラショナルビリーフがみられ、それが相談者が目標に向かうことを難しくしているハードルとして大きそうだ、と、キャリアコンサルタント視点の解釈、見立てをすることが根拠となり①「仕事理解の不足」を問題として書くことができます。「言動」を書くだけでは「問題の根拠」とはなりえない、ということです。
===============
【設問4】今後の方針(6行/10点)
=================
👆POINT1👆
【設問3】までの回答で、相談過程における相談者が抱える(現時点での)問題の把握・整理までは適切に行えた、と考えてよいでしょう。
ここからは、下記の項目を必要に応じて進めていくということになります。
〇目標設定→合意を得ること
〇自己理解の支援
〇仕事理解の支援
〇自己啓発の支援
〇意思決定の支援
〇方策の実行の支援
👆POINT2👆
「この事例を担当したキャリアコンサルタント」「今後あなたがこのケースを担当するとしたら」に注目してください。
この相談者とは次回、「はじめまして」からのスタートになるのです。つまり、「関係構築」をはじめから行う必要がある、ということですね。事例記録に目を通している前提で、できるだけ早い段階で信頼関係を築かねばなりません。どのように行いますか?
👆POINT3👆
「今後の方針」という言葉から、次回(1回)のキャリアコンサルティングではなく、今回の来談目的から目標設定をし、目標を達成するまでの道筋を見立てましょう。
💡差がつくPOINT💡
【設問1】の「相談したいこと」から見立てて設定した「目標」に対し、【設問3】で回答した「問題」が「目標達成」までのハードルとして現時点で向き合うべき最も優先順位の高いものだと見立てられること。
また、【設問4】の方針で進めることでそのハードルをクリアでき、「目標」に近づけると見立てられること。
回答を組み立てた時、【設問1】【設問3】【設問4】が連動しているかどうかを確認しましょう。【設問1】で立てる目標が【設問3】【設問4】の方向性を決めるの指針としてとても重要だということです。
過去問解答例
20回までの過去問解答例をUPしています。
問題は無断転載が禁じられているため、原文の転載はありません。
直近3回分の過去問は以下のリンクより入手してください。
https://www.career-shiken.org/about/learninfo/
第10回~第14回は問題形式が違いますが、キャリコンマインドを鍛え、記述方法のコツをつかむご参考になるかと思います。
以下リンク先よりご購入ください。
第20回
第19回
第18回
第17回
第16回
第15回
第14回
第13回
第12回
第11回
第10回
▽▽実技対策情報発信中▽▽
「試験対策は日常会話から!」をモットーに、
キャリコンマインドを定着させましょう!