#10 やさしい花
一生「ソソソ」を弾き続けることになるのではと、恐怖に怯えた「狩り」。
この続きの話。
練習期間(2021年6月11日~7月4日)
初見でどこまで弾けるか?
当時、フォロワーさんの中で鍵盤楽器経験なしにピアノを始め、ぐんぐん上達されている方がいた。
多忙な方なので、一日の練習は決して多くはない。
ブルグミュラー25の練習曲もあっという間に進み、教本の後半では初見でもある程度弾けるようになっていたと。
どんな練習をしているかと尋ねたら、新曲の譜読みを始める時にじっくりと楽譜を見て音との動きや和音の移り変わりを確認してから弾き始める。
山に登る前に地図を見てしっかり下調べをするようにされるとのこと。
それを聞いて、私もさっそく真似をしてみた。
この後しばらく「しっかり楽譜を見てからいきなり両手で初見演奏」がマイブームになった。
この曲は得意かも
2声のテクスチャで書かれた耳を鍛える曲。
2音の短いスラーは古典派のように飛び跳ねることなく抜く。
一つ前の「狩り」で苦労したせいもあって、とても弾きやすかった。
聞いて好きなタイプの曲と、自分の癖や特徴にあう演奏しやすい曲があるということを実感した。
N先生が「この曲は得意系ですよ」というのが少しわかり始めた。
レッスンの時に装飾音の入れ方を前に出すように修正された。
バロック式 ドー|ミー|レミレー|ドー
ロマン式 ドー|ミーレミ|レー|ドー
調子に乗ってはいけない
この曲得意かも?・・・と思い始めると練習も楽しくなる。
練習後半になると次の曲「せきれい」の譜読みも開始した。
苦手な箇所はどちらの曲にもあったが、これまで偶数番号の曲や「狩り」で感じていたような絶望感を感じることは殆どなかった。
とにかくピアノを弾くのが楽しくて、乗りに乗っていた。
イケイケゴーゴーー!!で浮かれていたので、こんなミスもやらかす。
余裕ができたので
これまで弾いた10曲の中で一番弾きやすかったので、少し心に余裕が生まれた。
いつもは鍵盤を押さえることだけで必死だったが、ペダルを踏んでより素敵に仕上げたくなった。
しかし、ペダルを踏みなれていなかったので「踏むこともあれば、踏まないこともある」という出たとこ勝負だった。
心にゆとりがあるからかレッスンもすぐに合格。
この後、イケイケゴーゴーー!!だった私は「真夏の快進撃」状態でブルグミュラー25の練習曲を進めた。