#2 アラベスク
念願のブルグミュラー25の練習曲を開始。
この続きの話。
練習期間(2021年1月31日~3月7日)
ピアノを始めたきっかけ
私が通っていたのは1学年3クラス、同級生は110人ほどの小さな小学校。
ピアノを習っている子が5~6人、エレクトーンを習っている子も数人いた。
休み時間に教室のオルガンで習っている曲を披露する子が現れると、その周りに人が集まった。
得意気に何曲も演奏する子もいれば、「チョップスティック」や「ねこ踏んじゃった」を教えてあげるから一緒に弾こうと声をかけてくれる子もいた。
私はオルガンを取り囲む一人で、いつも羨ましく思っていたが、ある日、親友Kちゃんがこう言った。
「私も来月からピアノを習うの」
それを聞き、なぜだか急にピアノを習いたくなった。
今にして思えばピアノへの憧れよりも、Kちゃんの真似をしたいとか、一緒に教室に通いたいとかその程度の理由だ。
さっそく親に習わせて欲しいと訴えたが、本気にしてもらえず、すぐには習わせてはもらえなかった。
「みんなやってる、私もやりたい!」とごねたり、すねたり・・・交渉を続け、小3の春からピアノ教室に通い始めた。
速弾き競争
休み時間のオルガン、ある子がアラベスクを披露すると、別の子がもっと速く弾けるとテンポを上げた。
もっと速く、もっと速くと競争になり、それがしばらく繰り返された。
私はまだバイエルを弾いていたが、一緒にやろうと誘われ競争に参加した。
指が滑ろうが、途中の音が抜けようが、狂ったようにテンポを上げ、みんなで笑いながらアラベスクを弾いていた。
私がレッスンでアラベスクを弾き始めた頃には速弾きブームは終わっていて、他の子たちはソナチネや「エリーゼのために」、「乙女の祈り」を弾いていた。
大人になってピアノを再開したが、まだ「エリーゼ」にも到達していない。
がんばらねば・・・。
絶望の左手
左手が絶望的にダメすぎて笑えた。
曲の冒頭、スタッカートで和音を鳴らすだけで一苦労。
しっかり握れないのでベースの音がでていない、テンポもどんどん遅れていく。
11小節目からは動きが止まってしまう。
右手の山なりの音形と、上行する音形、音がつながらないようにはっきりと、スラーの切れるところの音の綴じ方にも苦戦した。
仕方がないので、練習よりも動画の編集に力を注いだ。
電子ピアノをヘッドフォンで練習していたが、打鍵音や振動が伝わるらしく、同居の家族から「もうやめて、聞き飽きた」とクレームが入った。
しかし、なかなか合格できずに練習は長期化、家族に苦痛を与え続けた。