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高飛車クライアントが上から目線でただの人に成り下がる時

どーもビジネス仕掛人の近藤です。
本記事は労働人口不足がもたらす余波と、本当に時代が変わったのだと認識しないと仕事ができなくなるかもしれない予測のお話です。

本記事を最後まで読むと、人手不足の時の心構え・考え方がわかりますが、即効の処方箋はありません。時代がゆっくりと確実に変化している中で、変化が見える加速時期になったことで、問題があちこちで表面化してきました。
対応策としては、すでにやっていないと解決しないものばかりです。
ですが、これからのことは対応できるので今からでも遅くはないのでやれることをやってみましょう。

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使い捨ての昭和時代

昭和に生まれた私にとって、雇用の大半は替えの聞く代替性質を持っていました。

「お前がいなくても求人だせば人が来る」

といった感覚で扱われてきました。
まったく相手にされない世の中だったかというと、「企業の青田買い」と言われるほど有名大学卒の新卒を中心に誰でも良いから人を雇えという一定層へのアプローチは盛んでした。

昭和は学歴主義で、お偉いさんのほとんどはみんな有名大学を出た人ばかりの世の中でした。
物を作れば売れた時代でもあり、マーケtティングを重視するより社内政治や対外的な根回しが上手い人が上手く立ち回っていたようにも思えます。

人口に至っては第一次、第二次ベビーブームもあり、労働人口は十分に足りていました。

人口統計資料集
転載:国立社会保障・人口問題研究所

こちらを見る限り平成元年(昭和64年)、西暦では1989年まで昭和の労働人口は伸び続けてきました。
平成20年頃まで労働人口が増え、その後横ばいとなります。

平成は労働人口減少の移行期

昭和時代の商慣習を残しつつデフレによる賃金上昇の停滞、経済成長をの停滞を続けたのが平成と言っても良いと思います。
昭和時代であれば、不景気と言われてもどこかの業界の景気が良いということがありましたが、平成は人口増加に歯止めがかかり経済規模にストップがかかる物理的な枠組みが見えた時でもあります。
人口ボーナスによる発展は世界各国がモデルケースにし、追従してきました。日本も同様に人口増加と共に経済発展をしてきたのです。
しかし、人口増加の陰り、人口維係数の減少によって社会システム・経済の循環システムに変革が必要とされる時期になったのは平成だったと言えるでしょう。

令和は人が優位の時代

以前に求人がかつてないほど苦労をしていること、人口減少傾向であることを踏まえた記事を掲載しました。
建築業界では求人倍率が5倍となり、求人広告を出すこと自体諦めた企業、仕事は断るほどあるのに、黒字倒産をやむを得ないと考える企業が増えました。

この記事では人口が減ると社会が人に優しくなり給与が上がる傾向をお伝えしました。


引用元:https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/spe/roudou2030/

パーソル総合研究所と中央大学が行った推計によると、2030年に644万人の労働人口が不足するというのです。

求人に苦労するのが当たり前になった時代が到来すると2018年に言われていたのです。
この時から準備をしていた企業は、様々な施策を打っていたことが想定されます。

一昔前までは、面接で採用が決まった場合に働くかどうかの返答を早々にしなければ、働く気がないとされ他の方が雇用されることが多々ありました。
現在は、企業が返答がなければ諦めるしかないか、条件をさらに交渉されより良い条件で雇用することが当たり前になってきたようです。
人材紹介に関わる業界から情報を得ると、業種によりますが紹介に係る費用負担増を強いられています。
労働に従事する被雇用者が有利な条件を得ることができると浸透するのは間もなくなのではと感じさせられます。

ところで労働者を確保できない事態を想定していなかった企業や個人はどうでしょうか?

昭和時代のやり方を踏襲する企業や人

昨今は国が副業の推進をしていることもあり、個人でダブルワークやトリプルワークとして、複数の業界で活躍する人が多くなりました。

昭和の時代は
サラリーマンか個人事業主または会社経営
という枠組みにほとんど収まっていました。

令和に時代
サラリーマン+副業として個人事業主
という図式の方が増えています。

個人事業主だけで生計を立てていると、嫌な仕事だろうと受けなければ食べていけない、安くされても文句が言えないことが当たり前のように横行していました。
サラリーマンをやりながらであれば、嫌な仕事や横暴な条件を出すクライアントは断っても、大きな支障がない人が増えました。

でしたら
個人事業主は不利なのか
と言われると、決してそうではありません。
仕事の送料と仕事をする人の総量を比較してみると

昭和は  仕事 < 仕事欲しい人
令和は  仕事 > 仕事欲しい人

と変化しています。

言い換えると

令和は 仕事して欲しい人や企業 > 仕事がこなせる人

となります。
断っても他に仕事があるので、無理な注文を聞いてまで仕事を取る必要がないという方が増えました。
そして、今後も増えていくことでしょう。
仕事をする人が減るということはより良い環境や条件を提示しないと人が働きに来てくれないことを示唆しています。

さてここまでお読み頂いた賢明な読者の方はここから何が言いたいかわかると思います。

昭和の時代のクライアントは淘汰傾向にある

決していなくなる訳ではないのですが、社内ハラスメントを叫ばれ矛先を外注に向けていた人も、外注から二度と仕事をしないと言われてしまうと、社内評価が下がり続け、自身のやってきたことがやられる立場になる可能性があります。
下請けからの要望が多くなることもあり得るということです。

しかし、下請けは下請け。
自身がされてきたかた仕返しをするという人はそういないでしょう。他のクライアントに変な噂を流されては自身がマイナスになります。
そして、嫌なら相手にしなければ相手は大ダメージになるのですから、自身が面倒なことに手を出さずとも良いのです。

「上から目線」という言葉がいつから使われ始めたかは不明ですが、インターネット検索をしてみると2000年代後半に増えてきたと感じる人が多いようです。
一度流行ってしまうと、場違いな使い方でも使われてしまうのが「言葉の流行」とも言えます。

何を勘違いしたのか、諭すように言っている上司や同僚を第三者の傍目で見ていると、「上から目線」で嫌だと言っている人がいます。
流石に、仕事に支障を来すことをしているから、支障がないようにアドバイスしてくれた上司や同僚に「上から目線」と返すのはいかがなものかと感じることはあります。

理不尽な要求を断ったことで叱って(「怒って」かもしれません)くる取引先は「高飛車なクライアント」だからで済む時代ではなく、「上から目線」で理不尽だから相手をしないという時代になってきた、環境がそのように変化したのです。

仕事を依頼する側(雇用側)も仕事を下請けする側(雇用される側)双方が心構えを変える必要に迫られています。
心構えが変われば、対応が変わります。
対応が変われば、周りからの見方が変わります。
周りからの見方が、良い方向変われば仕事がスムーズに動きます。
仕事がスムーズに動けば、要らぬストレスにさらされずに済みます。

少なくとも周りからの見方が悪い方向にならないように鋭意努力することをお勧めします。
自身の心構えが変わらなければ、即効の処方箋はありません。
取り付く島もないほど、その場しのぎが通じないことが増える傾向にあります。
私も反面教師として、日頃から見直すことを心掛けようと思います。

P.S. 実際にあったこと

実際にあった案件ですが、とある制作においてチームを組んでクライアントとやり取りを行っていました。チームメンバーは20代30代を中心にした若手のチームです。

最初に断りを入れると
クライアント候補ですが、高飛車でも上から目線でもありませんし、昭和の時代を知っているのでやり方や進め方も理解できる方です。
それでも時代とともにやり方を変えないといけないだろうと考えさせられる案件でした。

このクライアント候補とは
制作物に権利(著作権や肖像権など)が絡むので、権利譲渡をどの段階で行われ、どのような条件であれば自由に使って良いか契約書のドラフトを作成しました。
チームメンバーを守り、クライアントとの仕事にルールを設けるという線引きを行うためです。
この契約書を提示するまでは頻繁に連絡があったのですが、提示後に連絡が途絶えました。
クライアントからある程度進めていく日程を聞かされ、各メンバーの日程調整をいれつつ待っているとクライアントの示した日程を経過しました。
中核メンバーがチームから外れて、私も解散してよいかとメンバーそれぞれに説明を順番で行っていたら、本日夕方に突然メッセージがきました。

契約のことは一切触れず、言葉足らずの方向性の説明が来たのです。

流石にこれはないよなと私は感じましたので、メンバーにも状況報告としてシェアしました。
離れたメンバーにも一応に通知を入れました。
しかし、誰もこの案件をやりたいという者はいません。
そもそもコミュニケーションが取れないのですから、やりようがないと感じるのは仕方ないこと、こちらからの提案を放置したことのみならず自身の言いたいことだけを言う傍若無人ぷりに呆れたものでした。

昭和に時代でもこのようなやり方は違和感がありますが、それでもクライアントが大手であればまだ渋々と付き合うことはありました。そのようなケースも多く見受けました。
ですが、協力者がいなくなる現実においては、もう進めようがありません。
仮に他のメンバーを連れてきても同様のことが起こるでしょう。
私はこの方・この仕事とはご縁がないものとして捉えています。

私もいつそう思わるようになるかわかりません。
これも良い機会です。
そうなった時にショックを受けすぎないように、
心の準備と自身を見直す勇気を持てるように言い聞かせています。