私の死ぬまで日記 147日目
こんばんは。
アルバイトを始めてみた。二年間水商売で働いてきた私にとって水商売を始める前までは当たり前だったことが全て初めてのことのように思えた。まず、時給が1050円。一時間スマホをいじっているだけで最低でも5000円は保証されていたのに五時間働いてようやくそのお金が手に入る。あとは、個人プレーじゃない。あとは、何かをするととても感謝される。あとは、退勤する時に「お疲れ様!次もよろしく〜!」と言ってもらえる。あとは、勤務中にタバコが吸えない。あとは、時間外労働が無い。
全てが初めてのことのように思えてようやく自分の感覚がおかしかったことに気がつく。毎日のように必死になって客に連絡を返し、失礼な言葉を浴びせられても愛想を振る舞き、時にはアフターでホテルに連れ込まれそうになる。色んな時間外労働と精神的苦痛込みの高時給高インセンティブな仕事だったんだろうがそれでも「お前は楽に稼げていいよね」って言ってきた客の気持ちが少しだけ分かったり分からなかったり分からなかったり分からなかったり。
楽な仕事なんてないと思う。もちろんキャバクラも楽ではなかった。メンタルも体調もズタボロになったし自分のことを嫌いになった。自分の存在意義が分からなくなったり自分のことを必要以上に低く評価してしまったこともある。お金を稼ぐ大変さって低時給ではなければ分からないことではないし、キャバクラで働いていた時もお金を稼ぐのって大変だなって心から思っていた。「楽して稼げていいよね」とか「俺が女だったらな」とか言ってくるやつは自分が女になろうが売れないしきっと性格もブス。経験した人にしか分からない辛さや逆に楽さがある気がする。
隣の芝は青く見えるってよく言うが、水商売が隣の芝になった今、全く青く見えていない。高時給高インセンティブに執着しているんだと思っていたけどそんなこともなかった。バイト先の人に優しくされたり感謝されたのっていつぶりだろう。ずっと普通のバイトは怖いことだらけだし自分にはできないと思っていた。死ぬほどポンコツだし時間管理はできないし責任感もない。でもちょっとだけ自分が社会に適合しているイメージがついて嬉しかった。無理して適合することもないと思うんだけどね。おやすみ。