「これ、ずーっとやってたら無くなるよね?」
自分の得意な事に「草取り」とか、「学校の廊下の木の床の、木と木の間の隙間に入ったホコリを掘り出す」とか、がある。
ある意味単調な、繰り返すような作業が好きというか、得意というか。人によっては「私はこういう作業、苦手〜」というような、ただ、これが得意と言うより、「嫌いではない」という程度なんだけど。
これを超えてくる作業だと、私も流石に面倒だなと思うことが多く、出来ればやりたくない作業になるんだけど、年齢と共に考え方や感じ方が変わってきて、途中までは本当に我慢できない程、嫌いな作業だったものが「やれば終わるんでしょ」とか思うようになって、今ではさらにその先の「これ、ずーっと削ってたら、この世から無くなるんでしょ。」みたいな。
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この感じ方というか、精神状態というか、それになんという名前を付けていいのか分からないので困っているのだけれど、この「これ、ずーっとやってたら無くなるよね?」的な感じ方を手に入れてしまってから、完全に無限ループが気にならなくなってきたり(まぁ、どうせ最後はあるんだし。しかもそこまでやらないし)、この時間が無駄だとか、意味がないとか、もったいないとか、そういう事も一切脳から吹っ切って、ある意味無心でやり続ける事が可能になったという、本当にどうでもいいかもしれないスキルを手に入れた。
私はもともとせっかちの方だし、物事の定義が決まっている方が好きだし、むしろ決まっていなきゃ嫌だし、出来れば無駄なく効率良く、物事が進むことを望んでいる。
が、しかし。このスキルのお陰で、今までの自分とは全く違った脳になる瞬間があって、それがまた普通に切り替わるんだから面白い。
小さなシルバーのパーツを磨く時、ヤスリでとにかく面を磨く時、木を削り出して何かを作る時、一見「やれば終わる」と簡単に、誰もが思う作業だが、実のところ、本当に面倒だ。
が、「これ、ずーっとやってたら無くなるよね?」と思える事によって、無くなる前にはやめられるんだから、大したことなくね?と思えるのです。
凄くないですか?これ。
まぁ、実際にシルバーが無くなるまで磨いた事もないし、木を最後まで削り出して、形無きまでにしたこともない。
ただ、そう感じるだけで心持ちが変わるよという、
魔法のようなスキルの話。
え?これ、スキルと呼んじゃっていいですか?
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分かるかなー?分かる人、いるかなー?
くだらない話でごめんなさい(笑)。