かよちゃんとジュリアに傷心
中学の同学年に
かよちゃん という子がいた。
背が高くて、スタイル抜群の女の子。
顔は鼻がすっと高くて、美人さん。
大人っぽくて、近寄りがたい感じの子。
別のクラスだったし、部活も違ったので
何の共通点もなく、きっと話したことはないんじゃないかと思う。
かよちゃんはとても目立つ女子だった。
かよちゃんの仲良しグループには他にも目立つ女子がいて、その子は明るくて元気でこれまた美人さんで、太陽みたいな子だった。
私は彼女がとても好きで、部活も一緒だったので、その子とは話もするし、馴染んでいたのだが、いつも一緒にいる かよちゃん がどういう子なのかはさっぱり分からなかった。
かよちゃん は私のクラスの男子Kと付き合っていた。
Kはちょっとだけ、雰囲気というか声というか、どことなくチェッカーズのフミヤに似ているところがあった。あった気がする(遠い記憶。そして勘違いかも)。
かよちゃんがKをすごく好きなのは、見ていてよく分かった。もちろんKもそうなんだろうけれど、かよちゃんの好きは「特別」のような感じがいつもしていた。
数十年前の同窓会で かよちゃん に会った。
正確にはやっぱり話したりしていないので「見た」というレベルだ。
相変わらず綺麗な かよちゃん だった。
結婚して子供もいて、旦那さんがやきもち焼きなんだと、仲良しの男子から聞いたことがあったけど、ああ、なんか分かるなと思ったのを覚えている。
この同窓会にはKも来ていて、私はこそっと彼らを目で追っていた。
気になるのはKではなく、かよちゃんだ。
なんだろう?かよちゃんはKの前ではとてもしおらしい。いい意味で。
なんだかこちらの胸がキュンっとするような、そんな空気を醸し出している。
ああ、変わらないんだな、ここんとこは。
そう思っても話しかけることができずに、その日もただ見ていた。
✳︎
先日アレクサにランダムに懐かしい曲をかけさせていたときに
チェッカーズの「ジュリアに傷心」が流れた。
ふと浮かんだのが かよちゃん だった。
私の中ではすっかり、Kがフミヤなのではなく、かよちゃんがフミヤと付き合っていた子 くらいな気持ちになってた。
おいおい、それを言ってしまうとKがフミヤとなってしまいそうだがそうではなくて。(ここ大事なので2度言っとく!)
今の私の目標は
いつか かよちゃん を知ること。
謎を謎のままにしておきたくない。
ちょうど都合の良いことに私の仲良し男子が
かよちゃんのクラスメイトだったので
どうにか かよちゃんを誘ってもらって飲みにでも行こう。
話題には完全に困りそうだけど、そこは相談してみようか。
でもどうだろう?
「中学の時からずっと興味があったから、今更だけどお話したいんだって」
って言われたら。
普通、引くかな。
どうだろ? 私ならどうかな?
私なら「面白いな」って思うけれど、
私、変わってるからなぁ。笑
♪ 久々にスカ、スカ・パンクを聞きたくなって、「そもそもスカって?」と思って調べてみたら、Wikiに「スカを取り入れているバンド」の中にチェッカーズと書かいてあった。ん~、確かにね。