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【寿司ネタ】俺ならそうしないね。パンガシウスライム塩
Twitterを見てたら知らない文字面が流れてきたので調べてみます。(こういう小さな疑問を拾い上げる丁寧な暮らしがしたい。)
パン、ガシウ、スライム?
おっ、パンガシウスライム塩あるやん
— ふたたびあお (@ao__not) December 2, 2024
ちょうど食べたかったんだよな〜パンガシウスライム塩。 pic.twitter.com/AevnhuPuyu
「パンガシウスライム塩」という文字列を見ても脳が処理できず、写真を見ても理解ができない。最初はシステムのエラーなのか、表示不備なのかを疑った。
カタカナ9文字に対して、漢字1文字。
初めに"塩"に目がいく。ほぉ塩か。改めて左から文字を追う。パ・ン・ガ・シ・ウ、ここまで情報が落ち、"スライム"が目に飛び込む。
「活〆パンガシウス ライム塩」
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とりあえずくら寿司のホームページを見てみると、ちゃんとスペースが入っている。
「活〆(いけじめ)パンガシウス ライム塩」
…なんて読みやすいんだ。
パンガシウスのライム塩味ということが見て取れる。「ライム塩」というワードに馴染みがなさすぎて、「スライム」で処理してしまった人が多いのではないか。
ただ、ここまできてもパンガシウスが何かはわからない。
パンガシウスはナマズの仲間
パンガシウスはどうやらスーパーで売られているようだ。全然知らなかった。上記のサイト曰く、「パンガシウスとは、ナマズ目パンガシウス科パンガシウス属に属する汽水・淡水魚の総称」らしい。
日本では単に白身魚として流通していることも多いようだ。知らないうちにパンガシウスに出会っている可能性も高い。
パンガシウスは蒲焼きやフライ・ムニエルなどに向いているようで、刺身は特に記載されていなかった。
「パンガシウスライム塩」表記の違和感
「ライム塩」は聞いたことないけど、「ゆず塩」はあるよな、と思いもう一度メニューを見てみる。ついでに他の塩メニューも見てみる。
ふり塩熟成まぐろ/中とろ/大とろ
塩だれはまち
ゆず塩かつおたたき
だよね。普通は味付けが先にくる。
「ふり塩熟成まぐろ」は、「塩味」の「熟成」した「マグロ」である。
「大盛り貝柱にぎり」や「ゆず塩かつおたたき」のように、「にぎり」や「たたき」が最後にくる場合もあるが、基本的にはネタが商品名の最後に来るのがオーソドックスなフォーマット・パターンだ。
この考えの通りでいくと、本来は「ライム塩パンガシウス」が正しい姿である。
取り除かれたスペースのワケ
「スペース入れろや」と思ったそこのあなた。もちろん私もそう思いました。しかし、システム開発経験者の私はもしやと思った。
今日のハイライト。#パンガシウスライム pic.twitter.com/LLo7N3dQ4a
— くりぼー (@kuri3913) November 22, 2024
「大葉えんがわ かれい」にはスペースが入っている。しかも、ホームページ上は「大葉えんがわ(かれい)」だ。この場合は11文字になってしまう。
これでタッチパネルのUI(ユーザインタフェース)仕様上、表示の最大文字数が10文字であることがほぼ確定した。(違ったら教えて〜!)
「特大切り 活〆穴子(一貫)」もこの仕様に則り、「特大切り活〆穴子一貫」という表示になったのだろう。(スペースとカッコの排除。)
さて本題のコイツ、「活〆パンガシウス ライム塩」だ。
絶対に外せないのが「パンガシウス」(6文字)。そうなると残り4文字を「活〆」に使うか、「ライム塩」に使うことになる。候補は次の二つだ。
活〆パンガシウス
パンガシウスライム塩
「活〆」とは、食材(魚)の鮮度を保つための方法であり、一方「ライム塩」は調理(味付け)の内容だ。
「野締め」か「活締め」か「神経締め」か。そんなことよりも、くら寿司のユーザーにとって重要なことは味付けの「ライム塩」であるのは言うまでもない。
こうして「パンガシウスライム塩」(10文字)がタッチパネルに表示されたのである(あくまで予想)。
「ライム塩パンガシウス」にできない俺たち
この先も私の予想だが、「くら寿司」のメニューに「活〆パンガシウス ライム塩」が誕生してしまった時点で「パンガシウスライム塩」は決まっていたであろう。
「ライム塩パンガシウスにすればよかったじゃん?」
一般の方はそう思うだろう。
しかし、開発者はそうではない。「活〆パンガシウス ライム塩」を「ライム塩活〆パンガシウス」にすることはありえないのだ。
お客様の商品名の名詞の順番を入れ替えるようなことをするなんてありえない。「いかに余計なことをしないか」それが最優先事項なのである。
もしも、「ライム塩」を頭に持ってこようものなら、ホームページのメニュー表示とに乖離が出てしまい、大変なことになるであろう。あわあわ。(大袈裟かもしれない。)
文字領域を11文字表示にしようものなら、他のメニューの表示も全て確認しないとならなくなる。「パンガシウス ライム塩」(11文字)にそこまでの価値があろうか。いやない。
忙しい開発の中で「スライム」のことを考える余地これっぽちもないのだ。
まとめ
「パンガシウスライム塩」が誰かに迷惑をかけることはない。
お前が「パンガシウス」を知らなかっただけだろ?そう言われればそこまでかもしれない。
だが、優しさとは、ユーザビリティとは、そういう人たちのために必要なのではないのだろうか。
この記事がいいねと思ったあなた。私をくら寿司に連れて行ってください。
おわおわり。
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