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【カラマーゾフの兄弟 読破の道_12】老人ばかりが死ぬ物語

9/5(木)

 この小説、老人ばかりが死ぬし、老人ばかりが死にかける。いやこれは生物の寿命的な意味でいえば当たり前っちゃ当たり前なのだが、夏目漱石、太宰治、村上春樹と、僕の好きな日本の作家の作品は、みな若者ばかりが死んでいくorいなくなるイメージがある。これは日本文学の特徴なのだろうか、それとも、カラマーゾフの特徴なのだろうか。カラマーゾフを読んで初めて、若者が死ぬ物語を求めている自分に気づくことができた。これが何を意味しているのかは、まだよく分からない。

9/8(日)

 時間が進まなすぎる。こちとら読み始めてから12週間も時が経っているというのに、小説内では3日しか経っていない。それぞれの描写が、エピソードが、会話が、あまりにも濃密。目次を見て覚悟はしていたものの、中巻のラスト、ミーチャの尋問だけであそこまで長く語れるとは思わなかった。長い長い尋問が終わり、読者まで疲れ果てたところで、ミーチャが夢で悟る場面がすごく感動的だった。

生きていたい、生きていたい、よび招くその新しい光に向って、何らかの道をどこまでも歩きつづけて行きたい、それもなるべく早く、一刻も早く、今すぐに、たった今からだ!

「第三部、第九編、第八章:証人たちの供述。童」より

 ミーチャの尋問を通じて、ミーチャもグルーシェニカもまるで別人かのように良い子になってしまって驚く。結局人を根本的に変えることができるのは、人の血が流れたり、大金が失われたりという、劇的な事件しかないのかもしれない。

進捗

上巻:■■■■■■■■■■ 100%
中巻:■■■■■■■■■■ 100%
下巻:■□□□□□□□□□ 6%

カラ兄読破まで、あと31.3%

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