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綿由来の炭素繊維「SUMISEN®」の歴史


SUMISEN®の糸の元となる「綿由来の炭素繊維」は有志の数社からの共同開発により「健泉の糸」として試行錯誤を繰り返し開発され誕生致しました。

ここに15年以上の歳月をかけて誕生したこの「綿由来の炭素繊維」の歴史をご紹介致します。

現在の健泉の糸の開発と生産を担っているのは某大手企業の二代目になります。健泉の糸の開発に着手、成功したのは二代目の父親である先代になります。

●2000年初頭機能素材への思い

先代が機能素材の研究を手がけたのは約15年前、防衛省の官僚、某大手企業の代表を経て研究を始めました。

代表取締役時代から練りこみ式の植物性炭素繊維は存在しておりましたが、いずれリタイアし、社会の役に立てる様な物を作りたいと思っていた様で、先代の思いとしては、合繊の機能素材や効果が薄れるような素材ではなく「幅広い世代の色々な方に快適に身に付けられる天然100%素材があれば」という思いが常に頭の中をめぐらしていました。

あくまで天然、自然界に存在する物で糸、もしくはそれに代わる資材を模索していた様で、試作で竹炭を練りこんだ不織布を作ったりしましたが、用途が限られていたり効果が薄れたりでなかなか思うように実現出来なかった様です。

そこで考え直したのが、特定の効果を加えるのではなくて「原料そのものを機能素材に出来ないか?」という事でした。

「天然素材の中で広範囲に機能的役割を果たしてくれる原料とは」という問題を考えた時にやはり真っ先に思いついたのが日本人、敷いてはアジア圏でも昔から広く使われているなじみ深い『炭』という存在でした。

当時から先代は炭を原料とした物で身に付けられる物を考えておりました。常に身に付ける事によって身体の快適さが増す事を知っていたからです。

炭は様々な効果があります。炭の中には無数のポーラス(多孔質)構造になっており、このミクロの穴の構造により様々な効果をもたらします。調湿、殺菌、遠赤外線、浄水効果といった機能・効果がそれで、インターネット上でもいろいろな効果と商品が所せましと並んでいます。

人はもとより、野生動物さえも炭を利用します。動物も体の調子が悪い時、本能的に炭を食します。驚くべき事ですが動物も、炭を食す事で炭の持つ殺菌効果、遠赤外線効果等を得られる事を知っており、その効果を本能的に理解しているのです。動物でも知っている自然界の「薬」を人間が利用しない手はありません。先代はそこに目を付けました。

●2003年 植物性炭素繊維の開発に着手する。

いよいよ植物性炭素繊維の研究を本格的に始めます。前述の通り以前から炭素粒子の練りこみ式や振りかけ式の所謂「人工的に炭の効果が得られる靴下や素材」は存在しておりました。しかしながらも何度も使用すると、どうしても効能が激減する事を先代は熟知しておりました。

先代は以前から「何とか炭事体を繊維にする事は出来ないか?」と考えていたのです。

防衛省時代からカーボンの専門知識もあったので「試行錯誤すれば植物性の炭素繊維を作る事も可能なのではないか?」との仮説の基、自信と目算もあったようです。

実験にあたってまず綿を焼成する釜を貸してもらえる所を探しました。ですが心当たりも乏しく、国内で釜を貸してもらえる企業や工場は存在しませんでした。

実験前からこの問題につまずき、実際に東奔西走し、手を貸してくれる企業様を探し回るのに時間がかかりました。

そんな中、先代の知人から韓国で焼却炉を持っている会社が廃業するからその炉を買わないか?との話が舞い込んできます。まさに「渡りに船」という想いだったと思います。

早速釜を購入し実験を始めましたが、通常では綿を炭素化する事は出来ても繊維にすることは当然できませんでした。通常は燃やすと黒い粒子になってしまうからです。

先代は失敗を何度も繰り返しながらも情熱と根気強く繰り返すことによって、問題を一つ一つ解決し、工程が構築されていきます。研究着手から炭素繊維が完成するまで実に約7年の歳月がかかっております。

●2010年 植物性炭素繊維の開発に成功する

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