社会人として大切な事は全て国際協力から学んだ

①序章

大学1年のゼミでは「大国の視点からみるシリア内戦」をテーマに研究を行った。また大学2年からは国際協力のゼミに入り「ITSを用いたフィリピンのインフラ整備」について研究をしてプレゼンテーションをして、論文執筆まで行った。また、2年の2月から「ソーシャルビジネスにおけるステークホルダー間の連携が女性のエンパワーメントに繋がる」をテーマに研究をしており、フィリピンの現地調査も行き、論文執筆をしている。

国際協力を始めたきっかけは、途上国の現状を知った事に起因する。高校在学中から世界の貧富の格差、途上国の暮らしぶりを知る機会があり、将来何かしらの観点で貢献できればと考えていた。

大学の一年生の時の研究では、シリア内戦について研究した。この時は、シリア内戦がホットな問題であり、ISISの問題がメディアで数多く取り上げられていた。シリア内戦の問題はシリアの問題ではなく、アメリカ、ロシアなどの大国が中東という派遣争いのために、利用しているにすぎなかった。また中東の問題は、外国が関わってはいけないほど、宗教、文化、人種、歴史認識の問題が深かった。この研究自体は、チームでおこなったが、3ヵ月しか行っておらず特質した成果があったわけではなく、情報整理のレベルで終了してしまった。

大学1年の後半から、FLP(facluty linkage program)の国際分野に入った。FLPは倍率の低いゼミも多いが、国際協力のゼミは他よりも難易度が高かった。学部の仲の良い女の子と適当にESを書き、適当に面接に行ったのを覚えている。合格した理由は特にわからない。FLPに合格後は、国際協力を本気で行いたいと考えていたので、一番真面目にやっていそうなゼミに入った。このゼミでは、2年から本格的にゼミ活動が始まった。またこのゼミのゼミ長も務めさせて頂いている。このゼミは、メンバーが揉める事も多いし、活動時間も長く、モチベーションの保てないメンバーが多く、マネジメントは正直難しかった。初めのうちは、3年生や、4年生のゼミ長に何度もアドバイスをもらいマネジメントした。

2年生では、ITSを用いたフィリピンのインフラ整備の研究を行った。インフラ業界のトレンドのITSとインフラに問題を抱える国フィリピンの2つの面での研究をした。この研究は、インターネット、本、先輩、教授のアドバイスをもらいながら研究をした。この研究は、FLPの期末成果報告会での発表をし、2年の最後には論文も執筆した。自分自身、サークルやバイト、旅行との兼ね合いもありながら、よく継続できたと思っている。

2年の2月にゼミ合宿に行った。ゼミ合宿では、3年時のプロジェクトの研究メンバーの選定や、研究対象国の選定を行った。ゼミ合宿を行うメリットは2泊3日全員で過ごすことで、ゼミ生全員が親しくなり、なんでも話せる間柄になり、心理的距離がなくなったことが大きい。

ゼミ合宿以降、ソーシャルビジネスについての研究を行い、週4日終電帰宅という研究に没頭する大学生活となった。また、9月の1日~14日の2週間フィリピンでの現地調査に行くために、研究を進める、航空券手配、ホテル手配、現地での予定決め等を行った。一番大変だったことは、現地の人とのアポイントメントをとることだった。アポ取りは何度も断られ、英語で現地の会社や政府機関に電話もした。


☆☆学んだ事↓↓↓

②マネジメントスキル

途上国の研究をするためにゼミには入ったが、このゼミで、私はゼミ長を務めさせて頂いていることもあり、チーム作り、メンバーの配置、スケジュール管理、外部との調整などの業務を行わせて頂いた。このゼミでの大変の所はモチベーション管理と外部の方のアテンドにあると思う。このゼミは、週4日終電で活動する事も多く、「効率が悪い、研究の着眼点が悪い、やりたい研究ではない、プライベートがない」など内部からの批判の多いゼミだった。このゼミでは、毎週何かしらの問題が起きるので、それに対処する事を、マネジメント側に求められる。

メンタルが弱くて、辛くなり辞めそうなメンバーのサポートをすることや、チームビルディングのうまくいかないチームのサポートする事は特に難しい。どれだけこちらが頑張っても、批判をしてくる人間はある一定人数毎回いる。またチームビルディングの失敗しているチームがあるとすると、教授や先輩に必ず呼び出しをされ、全てマネジメントする人間の性になるので難しい。また、人の悪口を楽しむメンバーが何人かいるので、ゼミ内では、何度も全体会議が開かれた。私はこのゼミのマネジメントは70点くらいだと感じている。私は人を引っ張る卓越したスキルはないが、場を和ませたり、メンバーの悩みを聞いたり、一人一人の長所を把握するスキルには長けている。マネジメントの失敗で何度も問題にはぶち当たったが、それでも何度も問題を乗り越えたことで今は自分の「リーダーシップスキル」に自信を持てるようになった。

ゼミでのマネジメントの他にも、サークル活動やプライベートとの両立を通して、自分という人間をマネジメントするスキルもついた。

また、ゼミ長をしている事に加え、FLP国際協力の代表も務めさせて頂いている。FLPの新規の1年生の相談会やゼミ長の講演会をすることで、様々な部分で自分のスキルアップができた。現在はFLPの期末成果報告会でのスケジュール調整や、各ゼミ長のマネジメントを行わせて頂いている。

③持続性(メンタル)

マネジメントするときに多数の問題が発生したので、どんな問題が起きても乗り越えられる力をつけることができた。このマネジメントに対する自信から自分のメンタルが強くなった気がする。このゼミでは問題がたくさん起こったので、そのおかげで強靭なメンタルがつき、「多数の問題」に今では感謝している。

また、ゼミ長として、人より5倍以上の努力を背負わされた。マネジメントの部分に加え、外部のゲストが来たときは、外部のゲストのお迎えをしたり、メールでアテンドしたりと影ながらやることは多かった。

また、ゼミ長になって「エンジンになる」ことを心がけた。講演会の後に、質問ありますかと聞かれたら、まず最初に手を挙げた。雰囲気が作られると2人目以降は容易に手をあげる事ができる。

そして、自分で講演をする機会や、役職の高い人と話す機会を頂けたことは、貴重な経験だった。FLPの新規の1年生の前での150人近くの人数の前での講演や、研究を通して社長や政府の階級の高い人と話す機会を得た。

上記は英語でも行われており、
これらの経験のおかげで、メンタルが強靭になった。

④コミュニケーション能力(協調性)

ゼミ長の経験や、ソーシャルビジネスの研究から、ゼミ生、会社の経営者、政府の役人などたくさんの人に会う機会があり、自分の対人折衝の能力向上に繋がった。知識のバックグラウンドの必要性も感じたし、相手のニーズや特徴をとらえて会話をする必要性を感じた。

特に経験として大きかったのは、「外国の方と話す機会を多く得たこと」
外国人は宗教、人種、歴史観、言語、地理的環境、金銭感覚、教育水準などすべてが「私」とは違う。この違うということを会話の中で乗り越えながら話すのは正直難しい。でも違う事を認識して、言語の勉強をし、宗教や歴史の勉強をして相手の背景に合わせて会話をすることで、円滑なコミュニケーションがとれる。

⑤多様性

途上国の研究から、宗教、人種、歴史観、言語、地理的環境、金銭感覚、教育水準などの違う多様性を学んだ。貧困の観点で論じれば、世界人口の10%もの人は、現在も1日1.9ドル以下で過ごしている。グローバル化の叫ばれている現代では、多様なバックグラウンドのある人と生きていくのは、正直必要なスキルである。

また私の所属しているFLPというゼミ連合は様々な学部出身者の人が参加するゼミ形態である。よって、多様な知識、経験を持った人が集まる。全員の得意分野は違うし、今までの経験も違うので固定観念があり、相手の価値観を受け入れるのが難しいときも多い。しかし、国際問題は多様な問題や、各の事情によって成り立っている。政治、経済、環境、防災、教育、IT、インフラ、ビジネス、会計、語学など様々なスキルが必要である。国際問題は多様性ときっても切り離せない関係にある。

人はみんな自分とは違うし、100%同一な人間など存在しない。だから違いを受け止めて、生かし、生きていく。そして、多様な事を総合的に学ぶ。
(ちなみに私の学部は多様性を意識した総合政策学部)

⑥途上国の現状

途上国の現地調査を含めて、海外に行く機会は多かった。また何年にもわたる研究から世界のリアルを学んだ

①インフラ、保健、教育の未発達
→いうまでもなくインフラが未発達である。インフラが発達しないので、製造業など運搬の伴う産業は発展しづらい。またインフラが発達していないと、外国からの投資が受けられない。インフラの発達は急務である。
→また、保健衛生分野での設備の悪さや、環境の不十分さがある。十分な医療システムが存在しないので、先進国では当たり前に治る病気で命を落とす人も多い。
→教育の環境がまだ悪い。識字率の低さもあるかもしれないし、少数民族の問題や児童労働の問題から教育システムへのアクセスができていない人も多く、貧困の鎖は続いている。

②貧富の差が大きい
現地でアテンドしてくれた方々はお金に余裕のある老夫婦だった。彼女達は、フィリピンで複数の事業を行っており、私達学生に毎日、フィリピンの特産品をくれたり、昼食をご馳走してくれた。身なりもお金に余裕のある感じのある格好をしていた。
 その一方で私達のホテルの周りには、たくさんのストリート生活者がいた。また、路上生活者の多くは、やせ細っていて十分な食事をとれていない状況があった。フィリピンでは、賄賂の横行や、労働集約型の産業(製造業など)が発達しなかったため、職につけず、十分なお金を稼ぐことができない人々が多い。私達のビジネス班や、教育班はこのような環境の人々に対する雇用機会の提供をしている会社の研究を行っていた。

③若者が多い
日本に帰国後驚いた事は、日本はお年寄りや、40代以上が多いこと。フィリピンと比べると勢いのない国だと感じた。フィリピンは平均年齢が23歳ということもあり、若者の活躍が多くの場面で見られた。どこに行っても子供が多いし、同年代で働いている人もたくさんいたし、これからの将来性が高い国だと思う。

フィリピンの発展のためには
フィリピンでは当たり前に行われているが、途上国全般は汚職が行われることが多い。中国やシンガポールの発展の裏には、外国企業の誘致があったが、フィリピンでは誘致が十分になされない。外国企業を誘致しても賄賂を一定量支払う必要性があり、インフラも発達していない。コストと効率性の問題から外国企業は投資を渋っている。ドゥテルテ大統領はビルドビルドビルド政策により、インフラ構築や、賄賂やドラッグの撲滅、外国投資の誘致など課題解決を行っている。若者の比率も高くこの国の未来は明るいと感じる。

⑦あとがき

途上国分野の研究者やソーシャルビジネスを行う社長には良い人は多かった。私達の研究に協力しても、メリットはないのに、途上国で活躍している方々は協力して頂ける方が多かった。ゼミ長を経験し、またゼミ連合の代表を経験し、途上国での研究を通して社会人として大切なヒューマンスキルを身につけることができました。英語力、社会人マナーをはじめ、成長できる良い機会となりました。先日のプレゼンテーション大会では、優勝2つ、準優勝1つと中央大学の賞を総嘗めしました。この功績には、たくさんの方の協力がありました。ゼミの教授をはじめ、ゼミ生、先輩方、研究にコメント・助言をして頂いた社会人の皆様、貴重な機会を頂きありがとうございました。頂いたGIVEをいつかTAKEできるようにこれからも頑張っていきます!

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