旅の始まりと終わり
何万kmも先にいる人へピンポイントに会いに行けて、また何万kmをピンポイントで戻ってこれるって、奇跡以外無いだろう。
空の上の夜はとても長く、果てしなく広い。
空気よりもずっと速く進んでいる様な感覚がする。
飛行機は、時間を飛び越える。
月明かりを見ながら、闇を切り裂く。
寝静まった機内で、読書を続ける人がいる。
夜明けの空はとても寒そうだ。
それでも人が眠れるほど飛行機は暖かく、今も安定して飛んでいる。
機内のマップを見ながら、この真下にいる人の生活はどうなっているんだろうと考える。
外気温がすごい。
飛行機、凍らないのかな。
ハバロフスクって?
シクティフカルは?
タシケント?
ベイルートって?
知らない場所だらけだ。
彼らも真下から、この飛行機をみているのだろか。
いや、気づいてないな。
あの雲の上に乗れそうだな。
多分スッカスカで落ちるか。
いや、スプレーで固めたらイケるかも。
僕達がどんなに眠たい時でもそうでない時も、飛行機は飛び続ける。
数えきれない程の思い出と人々を、今日も運ぶ。
遠い国の旅の始まりと終わりはいつも
「短い間ではございますが、どうぞ快適な空の旅を」
なんて機長に言われて、惚れない人なんているのかな。
いつもありがとう。
つまり何が言いたいのかというと、キャプテンはカッコイイ。
いつも最大の敬意と愛をもって、旅をしています。