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『神聖なる海獣』河島基弘 著
久々に良い本を読みました。
こちらは『捕鯨』についての本になります。
なぜクジラはこれ程までに西洋、とりわけアングロサクソン系の国で神聖視されるのか、その経緯を時系列順に辿っていき、彼らの性格や社会の在り方を含め、冷静に分析した文章になっています。
クジラが可哀想というのなら、全ての生き物が等しく、その様な扱いを受けなければならず、そこに命の選別は存在しない。
クジラの一部分を取り上げて特別視するのは分かるが、全ての動物が特別であり、特殊なのである。
クジラを巡る、アメリカ、イギリス、オーストラリアやニュージーランドの対応はあまりにも自己都合によるものが多く見受けられ、他国の歴史、文化を間接的に否定しているように見えました。
ここからは私の個人的な意見で本書とは関係ありませんが、人間が他の動物の命を奪って生きるということは、この生態系ヒエラルキーが出来上がっている地球に生まれた以上は免れようのないことだと思います。
また、我々の身体は、先祖がそれらの肉を食べたからこそ存在しているわけです。
それらの事を完全に無視、否定して明日から動物肉を食べるのはやめましょう。というのは、見えているところしか考えない頭のよろしくない人の考えだと思います。
クジラやイルカを擬人化して捉えるのも考え方として、とても面白いですが、あくまで擬人化です。
感情的になるのも良いですが、それでは人間らしい行動はとれません。
まずは、人間とは何か。というところから考えるべきだと思います。