価値感の正体。

やばい今回かなり長くなってしまった気がする。
どうも頑張ってnote書くぞと決意を新たにした私です。
そして意気込んだ結果長文になってしまうという不器用ぶり。
そんな所が私の魅力だと巷では話題です。
巷と言っても実家のおばあちゃんだけしか褒めてくれませんが。

さて、5年程前からモノ消費からコト消費などと聞くことが増えました。
ファッションに勢いがあった時代、ファッションだけでなく家電製品やゲーム機やインテリアなど人々の生活に便利で快適な娯楽性のある商品が多く発表され、また進化を遂げ続け人々に豊かな生活を送る満足感を得ることに大きな価値を見いだしてました。

当時日本経済もまだ調子が良くファッションや時計、車などは豊かさの象徴としても扱われていたためにブランドものや高価なものを手にすることは満足感や優越感を得られるツールとしての価値が大きかったかと思います。
皆お金を持っていたし使い方も派手だったし、きっと毎晩焼肉食べてたんでしょう。
羨ましい。その世代の人たちは今度焼肉奢って下さい。

そんな焼肉時代を経て、我々の生活は不自由ない程に豊かになり、そしてモノに溢れました。
そうした結果増えすぎたモノに不自由さを感じたミニマリストが現れ、断捨離などが流行ったために物質的なモノ消費からコト消費、体験型の消費に価値を見いだす人が増えてきました。

スポーツ観戦などのレジャーや旅行とかエステやマッサージに飲食もそうですね。

そして不況にあえぐファッション業界でも服ではない新しい価値の提供として、殊更にこのコト消費を重視すべきだと叫ばれるようになりました。

数年前には服だけでなく飲食やイベントスペースを合わせた複合施設がどんどん新設され、某大手百貨店などは旅行や体験型のアクティビティを商品として提案するなどしておりました。

実際それらが今どんな感じなのかきちんと調べていないのでわかりませんが、その手の話題を最近は聞かなくなったような気がします。
やはり服が売れなくなったから次は体験を売る。新しい価値だと舵を切ってもそれだけでは中々難しいのかもしれません。

その新たな価値として見直されているコト消費ですが、体験を売ると聞いて真っ先に浮かぶのは昨今の音楽フェスもそうかと思います。
好きなバンドの本気の演奏や熱量を体感し、その空間の熱を感じながら一緒に来た友人たちやその場で知り合った人々と盛り上がり楽しむ。

あとは野球観戦。テレビ放映権を無くしてから球場に足を運ぶ人が増えたように感じます。
家で見ることが出来なくなり、今まで生で見たことないような人たちも球場に足を運ぶようになった結果テレビよりも圧倒的な迫力や選手たちの気迫、ファンの熱気を肌で感じ興奮し時には感動すら覚える。


多分コト消費ってそういうことだと思うんです。
モノからコトへ単純に商材を買えただけでは消費者の動向を表面的にしか見ておらず、本質はフェスやスポーツ観戦で得られる楽しいという感情、感動だったり興奮だったり、満足感やリラックス感とかの情緒的な部分だと思います。
そしてそういったコトにお金を払う価値を感じている。

更にそれを共有する、共感できるコミュニティに属している仲間内で楽しむ。
楽しむためのツールとしてTwitterやinstagramなどSNSを使用するため、結果的に拡散されていきそれを目にした人が心底楽しそうな様子に興味を引かれ行ってみたらすごく楽しくて…という繰り返しが起こります。

体験の動機は楽しそうや面白そうから始まり、体験してみたら楽しさに感動や興奮、旅行などであればリラックス感や解放感を覚え、終わってしまった時の満足感。
またこの楽しさを共有したい、そして再び味わいたいと思う。
つまりこの楽しいという感情こそが価値感の正体なのではないでしょうか。

そしてこの感情の動きは提供する側も感情を込めない限り起こりません。


ではファッションが消費者の方の感情を動かすにはどうすれば良いでしょうか。
結論から言うとやはり私は楽しさを感じてもらうしかないと思っています。
そしてそのためのきっかけを作るためには、我々提供する側がまず楽しまないと消費者の方へは伝わりません。

服にはデザイナーの真剣な思いや熱意、創っている職人の技術、服自体が持つデザイン性や機能性など、それらは全て作り手や提供する側の感情が込められています。
それらを感じとってまたは聞いてから袖を通し、実際に着るコトによる感動と喜び。
そんなファッションの楽しさを感じて伝えて広げていくことって、それにはまず売る側がそれを感じて楽しまないと伝えられないんですよね。

店員さん「この服ヤバくね?」
お客さん「ヤバいっすね。」
店員さん「かっこいいっしょ?」
お客さん「かっこいいすね。いくらですか?」
店員さん「5万。笑」
お客さん「たっか!…でもかっこいいすよね。」

何となくこんな会話に覚えがありませんか?
昔、私がお客さんだった頃に似たようなやり取りをしたし、誰かがしていたのを見たような気がします。
当時は店員さんも楽しそうに服の魅力についてしゃべりながら、この部分のここがかっこいいとかこれ着たらモテるとかとても楽しそうだったように思います。
私も服の事なんか全然知らなかったし、業界の事なんか考えたこともありませんでしたがファッションがめちゃくちゃ楽しかったです。
今ファッションに求められているのはこの楽しいという価値感の提供なような気がします。



だいぶ長文な上になんか説教くさい内容になってしまいまして自分でも若干引いておりますが、自戒の意味も込めて文章にしました。

私ももっとファッションを楽しんでいこうかと思うので、取り敢えず奥さんにばれずに服を買う方法があれば誰か教えてください。いやまじで。

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