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ラップで伝える「あの日」②
「あの日Ⅱ」 words & music by Rap Inclusion
小3のときに震災が起きた
そうじの時間だったと思う
家はバラバラ TVも冷蔵庫も
おもちゃ箱もみんなひっくり返った
お母さんと弟と3人で逃げた
ミニストの前でお父さんを待った
それから郊外のばあちゃんちに向かった
そこでぼくらは数ヶ月過ごした
電気も水もガスもなかった
それでも正直いつも通りの
平凡で楽しい暮らしを送った
電気が戻ってガスが戻った
放射能のことは聞いてたけれど
ぼくは全然怖くなかった
お父さんの友達からワンピースのDVD
もらって一話からwatching everyday
この前の金曜地震があった
長くて強くていつまでもつづいた
またあの震災が来たんじゃないかと
ぼくの頭を不安がよぎった
地震のことを思い出すと
赤ちゃんを抱いたお母さんが津波に
流され赤ちゃんだけ残る
そんな悲しいイメージが浮かぶ
小6のときに震災が起きた
クラス全員パソコン室にいた
みんなフツーにしてたと思うけど
あんまり詳しく覚えてない
校庭に逃げた 体育館で待った
それからフツーに家に帰った
津波のことはセンセーたちが話しているのを聞いて知った
買い物してくるように言われて
コンビニの長い列に並んだ
帰りに友達が歩いているのを見つけて
いっしょに友達の家まで行くと
いつもいっしょに遊んでた部屋が
いつもどおりに片付いていた
ぼくらはフツーにモンスターハンター
暗くなるまで遊びつづけた
3月終わりに卒業式
震災以来の体育館であった
かなり遅れた卒業式
センセーたちの話は震災ばかり
中学に入学までよく遊んだ
友達といっしょに雨の中でも遊んだ
放射能ぐらいダイジョブじゃね?って
みんなそんな感じで遊びつづけた
浪人のときに震災が起きた
合格発表知らせを受けて
入学金を払った直後に
自分の部屋で震災を迎えた
夜は暗くて It was too cold.
やたらと一日長く感じた
何かを学んだその一方で
自分の醜い部分も見えた
まちにあかりが戻った瞬間
通りへダッシュして缶ジュース10本
買えて I'm so happy.でもそれって
醜いことなんじゃないかって思えた
すごくもないしありふれた体験
でもあの日々は比べられない
誰が一番ってこともないあの体験は
これからもずっとずっと生きつづけるだろう
あの震災でわかってきたこと
みんなが大切だってわかったこととか
だんだんみんなで忘れちゃいないか
なかったことにはなっていないか
あの日あの時 ぼくらが見たこと
あの日あの時 ぼくらが知ったこと