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獄中の画家・絆個展を開きます

ひょんなことから無期懲役の刑で45年にわたり服役中の、彫り師で「絆」という画号を持つ方と知り合い、来年2025年2月に仙台にある私の事務所で彼の個展を開くことにしました。
絆氏は自身の犯した罪と向き合い、償いをつづけています。気の遠くなるような長い時間を塀の中で過ごして来ましたが、表現活動を行うことで生きる目標を見失わずに来たと言います。以下は絆氏から届いた手紙の一部です。
 
「私の描いた絵を社会の人達に見て頂いて45年刑務所にいても決して人は精神も心も破壊されないことを知って頂きたい」

「私が獄中にありながらも人を感動させる絵を描けること、…罪を償いながらも表現活動を行なっている私がいてそれを知った人の心に感動と活力を与えられたら私も大変に嬉しいです」
 
表現することは人間の根源的な欲求であり、生きていく基盤だと思います。だから私にとって絆氏は、自分とは違う世界の人とは思えません。
絆氏を紹介していただいた方から、刑務所にいる方と定期的に話をする機会があることは数年前から聞いていたものの、その中のおひとりが個展を開きたいと希望していると聞き、その作品を目にしたのが、今年の7月ころのこと。8月には刑務所に面会に行き、通常は親族しか面会できない中、特別に面会することができました。
そこで絆氏ご本人の思いを直接聞いて、個展の準備を始めることにしました。準備を進める中で、犯罪を犯した方たちの置かれた状況について知ったり、「刑務所アート展」という塀の中と外をつなぐ取り組みをされている方たちの存在や活動を知ったりしました。特に心に残ったのは、次のふたつの言葉です。
 
「面白い作品だけれど、犯罪をした人なんだよなという思いが拭えず、素直に感動できない」
 
「社会の中で罪を犯した方々を「モンスター」と捉えるのか、それとも「チャンスを与えられなかった自分自身」と捉えるのか、それによって彼らにどう向き合うのかが変わってくる」
 
先にあげたのは「刑務所アート展」を見た人からの感想で、二つめにあげたのは、保護司をされている方に教えていただいた立教大掛川直之准教授の言葉です。
犯罪というと、どこか遠くの世界の、自分とは関わりのない出来事のように思えますが、一方でいつでも自分に降りかかって来る可能性を持ったものであり、それとどう向き合うかは、生きる上で常に問われ続けなければならない普遍的な問いではないかと思うようになりました。
そうした問いを考え、共有し、絆氏を通しての塀の中と外との交流を作っていくような場の出発点として、今回の個展を開催しようと思っています。
フライヤーとウェブサイトができあがりました。オンライントークも予定しており、出演者も決まりました。グッズも販売できそうです。個展後は、準備から終了までの間に考えたことや聞いたこと、話したことなどをまとめた冊子や映像も作りたいと考えています。

ウェブサイト
https://kizuna45.mystrikingly.com/

フライヤー
https://kadowakiart.com/kizuna45.pdf

グッズ販売
https://suzuri.jp/kadowaki

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