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「社会の中で罪を犯した方々を「モンスター」と捉えるのか、それとも「チャンスを与えられなかった自分自身」と捉えるのか」
「社会の中で罪を犯した方々を「モンスター」と捉えるのか、それとも「チャンスを与えられなかった自分自身」と捉えるのか、それによって彼らにどう向き合うのかが変わってくる」
ひょんなことから知り合った、無期懲役で刑務所に45年間入っている画号・絆氏の個展を開けないかと準備を進めています。
今日は仙台と石巻で活動する認定NPO法人SWITCHの今野さんに、犯罪を犯した方の置かれた状況についてお聞きしたり、現在企画している個展についても相談に乗ってもらったりしました(今野さんとは2013年に石巻の自由の女神像前で行った夏フェス「石巻メガフェス」以来11年ぶりにお会いしました)。
SWITCHさんは、福祉サービス事業所として就労移行支援のほか、障害者手帳を持たないグレーゾーンの方たちの就労支援にも取り組んでいるそうですが、今年からは刑務所からの出所者の方の就労定着支援事業も始めたそうで、制度のはざまで苦しむ人にとって、こんな場所があったらという場を作り続けている本当に素晴らしい団体だということがまずわかりました。
それから犯罪者と言われる方たちの半数以上が虐待や親の離婚、自殺など、辛い経験を持ち、当たり前の生育をする機会を奪われてきたというデータから、犯した罪の全てを本人の責任と言えるのかという疑問とともに、ご紹介いただいたのが冒頭にあげた立教大准教授掛川直之さんの言葉です。
それはまさに聞きたかった言葉そのものでした。
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写真は、つい最近届いた絆氏の絵の部分。
個展をやろうということになり、最初に送られて来たのは真っ黒なバックに厳しい表情の仏さまばかりで、どう評価していいのかわからなかったのですが、「これが最後です」と送られて来た最後の3枚は、おめでたいモチーフばかりで、何かが吹っ切れたかのような気持ちが伝わって来ました。おそらく最初に送られて来た数枚は、個展ということで気負っていたんだろうと思います。まるで突き放すような、壁を作るような絵でした。送られて来た絵、合計10枚をたどっていくと、それがじょじょに解氷していくような、そんな気持ちの変化を描いたひとつづき絵のように思えて来ました。