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薬物乱用防止ラップ「NO!」(2018年)
世界の中で見ると、日本の若者の違法な薬物経験率はそれほど高いものではない。しかしその一方でインターネットや通信販売の普及などにより、驚くほど気軽に違法な薬物に接する機会は増えている。
こうした状況に危機感を抱いた宮城県・登米地区薬物乱用防止指導員協議会は、若者の薬物乱用防止への意識を高めようと薬物乱用防止ラップの制作を発案。仙台でメディアアートのひとつとしてラップの制作を行っている現代アーティスト門脇篤に依頼し、完成したのが本作である。
伝えることが誰かを救うことになることを願って。
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宮城県・登米地区薬物乱用防止指導員協議会公認
薬物乱用防止ラップ「NO!」
music, words, rap & video: Atsushi Kadowaki
guitar: Makoto Miyazawa
(C)STARTohoku 2018
シンナー マリファナ 覚せい剤
薬物乱用って知ってるか
LSD 麻薬 脱法ハーブ
テレビやなんかで聞いたことあるだろ
ラブドラッグ エクスタシー
関係ないさって思ってないか
でもそれどこにでも あふれてる
危険ドラッグはそこまで来てる
だからこの話聞いてほしい
友達から勧められたとき
それ断ること 君にはできるだろうか
Can you do it?
恋人や兄弟から誘われたとしても
それ断ること 君にはできるだろうか
Can you do it?
恋人や友達に嫌われるかも
自分の居場所がなくなるかも
次の日からいじめにあうかも
どっちをとっても地獄なのかも
そんなとき思い出してほしい
本当に誰かを大切に思うなら
ドラッグには手を出すな
それは本当の地獄への入り口
(Hook)
NO!という勇気もて
それは君だけじゃなく相手も救う
ノーという勇気もて
それは君だけじゃなくみんなを救う
ノーという勇気もて
それは君だけじゃなく相手も救う
ノーという勇気もて
それは君だけじゃなくみんなを救う
ドラッグやれば 依存症って名の
一生なおらない病気になる
使ったときには幸せになれる
でもそれが切れれば地獄をみる
ひとりじゃ決して治せない
ひとりの意志では治らない
友情や愛では治せない
専門の機関にたよるしかない
ドラッグやりたくてやりたくて でも
それをがまんする日 一生つづく
やめても聞こえない声 聞こえたり
からだ ずたずたにむしばまれてく
もしだれかがドラッグやってたら
もし君がドラッグやってしまったら
まわりの大人に相談してほしい
きっとだれか味方になってくれる(が見つかる)
依存症はなおらない でも
回復した人 何人もいる
ひとりでかかえこもうとしないこと
強い意志もとうとしないこと
世間の目なんて気にすることない
身近な大人に相談してほしい
ドラッグはこどもひとりで戦える
そんなヤワな相手じゃない
(Hook)
どうしてそんな危険なものが
気軽に手に入るのか?そう、それは大人の責任
こどもたちを満足に守ることもできない
でも知ってほしい 君たちを本気でドラッグから
守りたいと思ってる 大人はたくさんいる
だから信じて相談してほしい
最後に大人のみなさんにも言いたい
誰も何の理由もなく
危険なドラッグに手を出したり
リストカットなんてしない
必ずそこにはわけがある
それ見ようとしないでクスリだけやめさせれば
その子の心はパンパンにふくれあがってしまうだろう
生きづらさの根っこを掘り出して
つらさでいっぱいになった心
リリースしてあげなければ
その子はいったいどこで生きればいい?
それは社会を変えるとかそんな大きな話じゃない
どれだけこどもの気持ちによりそうことできるか
愛せるかって問題だろう
(Hook×2)