『天使の翼』第11章(55)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~
ローラは、貴重な情報源であり、水先案内人だけれど、いずれどこかのタイミングで別れることになる……他の星々で出会った女性達が、皆そうであったように。
……ケイン……。
シャルルは、何故わたしのケインに対する気持ちに肩入れしてくれるのだろう?わたしには、自分の個人的なことは、それがいかに大切なことであれ、後回しにする覚悟は、とっくにできているのに……
わたしは、シャルルと云う強い個性と接しているうちに、きわめて短い時日の間に多くのことで感化を受けてきた。――物事を分析的に見るスタンスも、その一つだ。
……シャルルは、兄を利用しようなどという気持ちは、これっぽっちもないはず……何故、兄――と決まった訳ではないけれど――のもとへ行こうとするのか?旅の偽装の為だけではない、何かがあるような気がしてならない。
…………