コト消費の時代のOEM(相手先ブランド名製造)
日経電子版の記事【「私だけの化粧品」日本色材が演出 スモールマスの黒子】は、コト消費の時代におけるOEMの位置付けを改めて考えさせてくれます。
そもそも、消費者一人ひとりが各々の体験価値を追求するコト消費の時代は、それに応じて細分化されるスモールマスな市場に対応する必要があります。
そのような消費者のインサイトに肉薄したイノベーティブなプロダクトを作ろうとすれば――
(1)『カスタマイゼーション』・・・3Dプリンティングなどのテクノロジー
の進化によって出来る事の幅が広がりつつあるカスタマイゼーションを
活用する。
(2)『ユーザーコミュニティー』・・・プロダクトの入口である消費者の
インサイトから出口であるフィードバックまで、消費者との密接な
関係性のあるエコシステムを作る。
(3)『コ・クリエーション』・・・消費者が積極的にプロダクトの開発に
関与するコ・クリエーションの仕組みを作る。
(4)『プロシューマー』・・・やがて、自分だけの体験を実現するモノ、
自分の実現したい体験をもたらすモノを自ら創る、広い意味での
消費者のプロシューマー(生産消費者)化が進行する。
このようなコト消費の時代のスモールマスの進行は、既存の大企業にとっても、中小・新興企業にとっても、また、起業しようとする個人にとっても、一番の、最大の課題は、プロダクトの製造と販売であることは間違いありません。
その部分をサポートしてくれるものとして、例えば――
(1)『D2C(ダイレクト・ツー・コンシューマー)』・・・後者の販売に
関しては、①SNSなどを通じて消費者とコ・クリエーション(価値
共創)しながら、②自社で企画・製造(ファブレスも)したプロダクト
を、③中間流通をなくした自社サイトで直販する(販売価格を抑えられ
る)D2C(ダイレクト・ツー・コンシューマー)のネットショップ作成
サービスを活用する。
(2)『OEM(相手先ブランド名製造)』・・・そして、前者の製造を
サポートしてくれるのがOEMなのです。
(3)『ODM(相手先ブランドでの設計・製造)』・・・さらに、企画・
デザインまで踏み込んで相手先と協働するのがODMです。
このように、OEMは、コト消費、スモールマスの時代にあって、その重要性を増していると考えられます。
そして、コト消費の時代のOEMに求められる優位性としては――
(1)頻繁な生産品目の入れ替わりに対応できる生産ラインの柔軟性。
(2)原料の配合のノウハウなど、様々な要求に応えられる技術力。
(3)日本製であること、などのこだわり。
――などが考えられそうです。