月へ行く社長

 9/14付けの日経電子版の記事【米スペースX、月旅行で初契約 日本人の可能性】(本稿末尾に添付)で、本当に日本人だろうか、だとしたら誰だろうか、としばらく思いを巡らしたものの、その後すっかり忘れていました。この記事【ZOZO前沢氏、月旅行1週間 アーティスト数人招待】でその答えが分かってみて、第一印象は、「スタートトゥデイの前沢社長だったか!」――驚きはしたものの、不思議と意外感はありません――。

 次に感じた第二印象(?)は、「度胸あるな~」――私もSFが好きで、月に行きたい、間近で月を見てみたいのはやまやまですが、やっぱり怖いのが先に立ちます――。旅費を払えたとしても、怖いから行かないと思う……

記事に「子供のころから月を眺めてはイマジネーションを感じていた」とありますが、今回の月旅行契約は、何よりも前沢社長が行きたかったから、夢をかなえる契約なのだと思います。

 とは言え、社長が月へ行くとなると、会社の知名度が世界的に一気に跳ね上がることも間違いありません。記事には「本件は前沢社長の個人的な活動でスタートトゥデイは関わっていない」とありますが、社長の個人的な活動が会社の知名度に直結してくることは確かです。

一般論として、どんなに良質な、ユーザーに寄り添ったファッションECであっても、知名度が低く、ユーザーにそのサイトに関するイメージが何もなければ、たまたまそのサイトに立ち寄って、気に入ってくれた人が購入してくれるか否か、という厳しい状況なはずです。『社長の月旅行』は、そんな苦境を一気に逆転し、知名度が一気に跳ね上がる。知名度の急上昇に合わせて、サイトの良さをアピールする、認知度向上の施策をしっかり打てれば、業績の急拡大も十分ありうることです。ZOZOブランドの『名』と『実』、知名度と認知度の向上が何よりも重要で、そのために『社長の月旅行』程インパクトの大きいものはないのではないでしょうか。したがって、第三印象は「うまい!」――知名度向上に躍起になっている会社は、今頃悔しがっているかも知れません――。

 最後に第四印象は、「ワクワク!」――記事に「私はアートが好きなので。アーティストとアーティストの融合によって何が生まれるのかを見るのが楽しみ」(前沢社長)とありますが、アーティストが月旅行という稀有な体験を通してどんなインスピレーションを得て、どんなものが生み出されてくるのか、どんな化学反応が起こるのか、楽しみと言う他ありません――。

 『月へ行く社長』と『月へ行くアーティスト』……月旅行、宇宙旅行という体験は、文字通り母なる地球を飛び出す、人類にとっての究極の体験の一つに違いありません。私達人類は、今までも、そしてこれからも、実際に宇宙へ行った人の体験を通して、全く新しいもの、新しい概念、新しい気付きを得ていくのかも知れません。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35458990Y8A910C1000000/

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35362230U8A910C1000000/?n_cid=SPTMG022

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