無くしたくても無くせない課題
記事によると、首都圏の鉄道の遅延は、「6割超の路線で1日おきに起きて」おり、「原因の多くは駆け込み乗車で駅の発車が遅れるなど乗客のマナーだ」という。考えてみれば、『駆け込み乗車』というのは、『無くしたくても無くせない課題』の典型例ではなかろうか。
そもそも、人は何故『駆け込み乗車』をするのか?急いでいて次の電車まで待てない、というのが大半でしょうが、特に急いでいなくとも、扉が閉まりかけたのでつい駆け込んでしまった、というのもあるかも知れません……。いずれにしても、人が『駆け込み乗車』をしてしまう最大の理由は、『駆け込み乗車』をしてもつかまらない、罰せられることはない、と思っているからではないでしょうか。
しかし、『駆け込み乗車』による遅延の悪影響は広範囲に及び重大だから、『駆け込み乗車』を独立した一つの罪として規定し、罰則を設ける、というのは難しいかも知れません。理由はいろいろ考えられますが、例えば、『駆け込み乗車』をした人をつかまえようとしてドタバタしたら、ますます列車は遅れます……
となると、残された方法は、利用者にマナーを訴える広報活動か、『駆け込み乗車』を抑止する思いがけない仕組みくらいしか思いつきません。後者の『駆け込み乗車』を抑止する仕組みについては、ネットを見ると、鉄道会社の真剣な取り組みから、冗談半分のようなアイデアまで色々と出てきます。まだ効果抜群の事例はないようですが、これを考えるのは相当な頭の体操になることは間違いありません。何と言っても今まで名案が出ていないのですから。私もいくつか考えてみましたが、どのアイデアも、実際にやろうとすると弊害がありそうなのです……。例えばですが、今でも『駆け込み乗車』があると、車内アナウンスがありますが、あれを執拗に現状の2~3倍の時間をかけてやる。『駆け込み乗車』をした人も、周りで聞いていた人も、こりゃ『駆け込み乗車』なんてやるもんじゃない、という気持ちにならないか……これは、鉄道会社が採用しませんよね。普通に乗車しているお客さんが不愉快になってしまいますから……
『無くしたくても無くせない課題』、厳しくし過ぎると弊害があり、かといって放置しては重大な事故につながりかねない。結局は個々人のモラルに委ねるしかないのでしょうか。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO27135280Q8A220C1SHA000/
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