見出し画像

かけっこ練習ノート - なぜ接地時間を短くしたい?

2月18日(木)

今日は久々に寒い日でした。それでも子供たちは元気です。
ドロケイは今回も公園全体を使って。警察を大増員した結果、初めて泥棒を時間内に捕まえることができました。その分、警察決めは難航していましたが…。

今日はグループを二つに分けて。
どちらもテーマは、「接地時間を短くする」ことです。
これまでもいろいろな場面や言い方で、足が地面に接している時間を短くすることを話してきました。
でも、そもそもなぜ接地時間は短い方がいいのでしょうか。

「足の回転が速くなるから」
「強く跳ぶことができるから」
などなど、いろいろな意見がありました。
どれも正しいし、みんな走ることの考え方、メカニズムがよくわかってきていると思います。

では、こういう質問にはどう答えるでしょう。逆説的な質問です。
「ボルトのスピードで、接地時間が長かったらどうなるか?」

「転ぶ!」
と言って実際につんのめって実演してくれた子もいました。
そう、きっとつんのめって、でも転ばないよう足を大きく前に出して、ブレーキをかけるのではないでしょうか。
つまり、速く走っている状態で接地時間が長いと、ブレーキをかけるように体が動いてしまうのです。
接地時間の長さは、走るスピードの足枷とも言えるのです。

では、どうすれば接地時間を短くできるのか。
そこがみんな一番知りたいところですね。

まずは垂直にジャンプしてみて、どんな動きをすれば接地時間が短くなるか考えてみます。
いろいろポイントがあると思いますが、今日は2つに絞ってみました。

一つ目は膝の曲げ伸ばし。
接地したときに、膝をより大きく曲げるのと、少ししか曲げないのとでは、どちらの接地時間が短くなるでしょうか。
ちょうどホッピングを持っていた子がいたので、膝をホッピングのバネの固さに例えて考えてみました。バネがどうであればホッピングの接地時間が短くなるか。
バネがより固い方が、つまり膝の曲げがより少ない方が、接地時間は短くなりますね。

二つ目のポイントは、足の裏の接地場所。
踵から接地するのと、足の前の方で接地するのとでは、どちらの方が短い接地時間になるでしょうか。
これはジャンプするときに足裏のどの部分が最後に地面から離れるかを考えればわかりますね。
ジャンプする際には足首のバネも使って跳びます。
すると、地面に力を加えるのは自動的に足裏の前の部分になります。
ということは、踵で接地した場合、ジャンプするために踵から足の前の方まで接地場所を移動させないといけません。
それには時間がかかります。
結果として、踵で接地した場合は、ジャンプのために足が地面から離れるまでにより長い時間がかかってしまうのです。
一方で、足の前の方で接地した場合は、同じ足の場所で地面から離れることができるので、接地時間を短くすることができるのです。

少し脱線しますが…
これが速く走る時には踵ではなく足の前の方で接地した方がいい理由です。
でも、ここが難しいところで、単に「足の前で接地しよう」と声掛けすると、背伸びをしたような姿勢でちょこちょこ走る動きになってしまうことがあります。
ですので、なぜ踵からの接地ではなく足の前の方での接地なのか、という「なぜ」を子どもたちが理解し、その結果自分でいい動きを見つけていくというのが理想だと思っています。

話を練習に戻して…
次に公園の周回コースを使って、リラックスしたジョグをしながら、徐々に接地時間を短くしていく、ということをやりました。
すると、接地時間を短くしようとしただけなのに、勝手に足の動きが大きくなり、スピードが上がっていきます。
しかも、力みなく、軽やかに、とてもきれいなフォームで。
これにはみんな驚きの顔でした。
普段前傾してしまう子や体や頭がぶれてしまう子も、接地時間を短くしようとしただけの動きではしっかり地面に垂直で体もぶれずに走っていました。

意識のポイントが変わると、同じ走るという動作でもこんなに動きの結果が違ってくるのかと僕も驚きであり、発見でした。

いいなと思ったら応援しよう!