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かけっこ練習ノート - スタートは重心移動
3月4日(木)
今日のどろけいは、いつも難航する警察決めをA君がリードして決めてくれました。
おかげでとてもスムーズに進行しました。
リーダーというのは与えられてなる場合と、自発的になる場合がありますが、やはり後者が理想だなと改めて思いました。
今日も二つにグループを分けて。
テーマは「スタート」です。
先日、たまたま小学校の前を通りかかった時に体育の授業をしていました。
かけっこの授業のようで、5列くらいに並んだ子ども達が先生の合図で順番に30mくらいを走っているところでした。
先生の「よーい」の合図で、子ども達は一斉に片足を一歩後ろに引いて、そこに体重を乗せて安定の姿勢。
みんなが同じ動作なので、先生に教えてもらった動きなのでしょう。
前にも同じような風景を見たので、学習指導要領にでもこのスタート方法が書いてあるのかと思いましたが、さすがにそれはなかったです。
この動きを真似て、みんなの前でスタートをしてみました。
みんな口々にダメ出しをしました。
「重心が後ろにある」
「一歩目が遅い」
「歩幅が狭い」
などなど。
さすが、みんな感覚としておかしいと言うことがわかっているようです。
この安定した姿勢だと、スタートの合図と同時にまずは重心を前に移動させなければならず、それにたいそうな時間がかかってしまうのです。
スタートの合図と同時に勢いよく飛び出すには、できるだけ重心を前にしておくこと。
そのためには前の足だけに体重を乗せるくらいの方がいいでしょう。
もっと言うと、前足のさらに前足部に体重が乗るくらい。
そうすると自然に上体は前傾姿勢になると思います。
次にスタートの合図後の動きです。
2足歩行の人間は物理的に前傾しないと加速ができません。
立ち幅跳びで実験すればわかります。
前傾せずに、前に大きく跳べるでしょうか。
では、スタート直後の歩幅は小さい方がいいのでしょうか。
それとも大きい方がいいのでしょうか。
以下の2つの事実を前提に考えてみましょう。
1) 人間は本能的に重心の真下に足をつく。そうでないと転んでしまうから。
2) 思い切り加速するためには、十分に前傾し、重心を体の前に移動させておく必要がある。
この二つの条件を考えれば、スタートの加速時が速ければ速いほど歩幅が大きくなるということが導き出せると思います。
ところで、スタート直後に滑って転んでしまう子が何人かいました。
滑っている足は後ろ脚です。
でも、それはこれまでの議論からすると妙な気がします。
スタート直前の姿勢では重心を前に移動させているため、後ろ足に体重はかかっていないはずです。
つまり、後ろ足が滑って転んでしまう子は、まだ後ろ足に体重が乗っているか、後ろ足で地面を蹴っているということです。
今回は「スタート前の姿勢」と「スタート直後の動き」について重心を中心に考えてきました。
つまり、スタートのキーワードは「重心の移動」だと考えることができるのです。
また、スタートの動きも前回、前々回でやった「接地時間を短く」、「しっかり足音を立てる」、ということを意識すると、よりダイナミックで地面をとらえた、速い動きのスタートになると思います。
ちなみに、野球の盗塁では左右のどちらへも素早く反応して移動しないといけません。
ですので、構えの時に片方の足だけに体重を乗せるというのは現実的ではありませんね。
でも、盗塁の走り初めには素早く行きたい方へ前傾して、体重を思い切り移動させるというのは変わらないと思います。
イチロー選手の盗塁には本当に惚れ惚れします。
最後に…
最近、二つのグループで練習の集中力に差ができてしまっています。
これは個々人の個性もありますが、グループを二つに分けたことによる問題でもあると思っています。
今のグループは、足の動きが速い子とまだ動きが遅い子で分けています。
すると後者のグループになった子たちは、それを察知してモチベーションを落としてしまっている子がいるのではないかと。
この状況を反省して、少しグループ編成を考え直したいと思います。
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