2月14日(火)バレンタイン特別興行❤立花家橘之助・立花家あまね@小料理 やきもち
秋葉原駅から程近い雑居ビルの一階に「小料理・やきもち」はある。美味しい食事を食べながら、音曲師・立花家橘之助師匠を待つ。
橘之助「浮世節」
※相変わらず、「男前」な橘之助姐さん。1曲目は、
〽冬は嬉しや ふたり揃うて雪見の酒
から、艶やかに。
本当は前座はあまねさんが務めるはずだった。姐さんがあまねさんに「前座できる?」と尋ねると、首を振った為(笑)、橘之助姐さんが開口一番とあいなった。
「梅は咲いたか」
〽梅は咲いたか 桜はまだかいな
春はもうすぐそこに。
都々逸をいくつか。
あの人のどこがいいのと聞かれたら、どこが悪いのと聞き返す
惚れてみやがれただおくものか有り金全部巻き上げる
「とっちりとん」
深草少将の悲恋を唄う。
最後は山田五十鈴が初代立花家橘之助を演じた舞台「たぬき」で弾いた唄を。「猫じゃ猫じゃ」も飛び出し、賑やかに。
橘之助・あまね「師弟競演」
「あまね」は本名である。
橘之助姐さん、あまねさんの入門の経緯を騙る。あまねさん、浅草演芸ホールで橘之助姐さんの出待ちをして、入門志願をしたそうな。
橘之助「どれくらい待ってたの?」
あまね「1時間です」
橘之助「あんたねえ、そういう時は、一日待ってましたって言うもんよ」
ちなみにあまねさんの好みの男性は黒澤映画「羅生門」の森雅之だそうだ。あまねさん21歳!
「伊勢音頭」などを二人で。
あまね「三味線漫談」
※なんと、あまねさんがトリ!
「おばば」(岐阜音頭)や「東京音頭」などを可憐なマスクに似合わぬ力強さで演奏する。喋りも面白い。もう独り立ちできるのではないか?
おしまいは橘之助師の三味線で、あまねさんが「奴さん」を踊った。
終演後は、橘之助姐さん、客席に混ざり、歓談。私に「あまね、良かったでしょ?」と聞かれたので、「素晴らしかったです」と答えると「そうでしょう」と受けて下さる。あまねさんへの期待と愛情を感じた。
橘之助姐さんが、まだ「あす歌」だった頃、京塚昌子のテレビ番組があった。先代の圓歌師に出ろ、と言われ、出た。たまたまそれを見ていたのが、
歌る多師匠。
「圓歌師匠は女の弟子を取ってくれるんだ」
と思い、入門を志願したそうな。
この春の小猫改メ江戸家猫八襲名の口上には橘之助姐さんも並ぶそうだ。今年の謝楽祭の実行委員長でもある。今年は「立花家橘之助」の名前を聞く機会が多そうだ。