The Beatles 『Revolver 2022」を聴いてみたけど ・・
ここ数年、ビートルズのリミックス・アルバムが毎年のようにリリースされています。昨年は1970年のアルバム『Let It Be』の8時間にも及ぶ再編集映像が配信されたのと同時に音のリミックス盤も出ました。これで最後かと思いきや、今年は1966年に遡って『Revolver』のリミックス盤がリリースされました。
で、さっそくYouTubeで聴いてみたものの、感想は・・・うーん・・という感じです。当時はまだステレオという概念が確立していなかったのか、特にビートルズのアルバムは片側からボーカルが聴こえるといった少し変なステレオ音像でしたが、今回はリミックスによってセンター・ボーカルになっています。それ自体は素晴らしいのですが、オリジナルに忠実に再現するという縛りがあるためか全体的にあまり音が変わっていないのです。もっと現代風に音を加工してほしかったですね。(新しい音を加えるのではなく、あくまでも音を加工するということ)。
ビートルズのリミックス盤では1999年に出た『Yellow Submarine Songtrack』が一番衝撃的でした。1960年代に録られた音でも、加工・リミックスすることによってこんなすごい音によみがえるんだ!と驚いたのを覚えています。当時のレコーディングはわずか4トラックでしたから、彼らは4トラックが埋まった時点で音を一つにまとめて(リダクションして)別のテープにダビングすることによってトラック数を稼ぎ、さらに音を重ねていきました。1999年の『Yellow Submarine Songtrack』では、そのリダクション前のテープにさかのぼって編集が行なわれたそうです。どおりで音が劇的に良くなっていましたね。
それに対し、今回の『Revolver 2022』はdemixといって音を分離して再ミックスするという手法がメインに取られているとか。もともと楽器の数も少ないこともあり、せっかくリミックスしても迫力に欠けるという印象を受けました。オリジナルにこだわらなくて良いから、もっと音を現代風に加工してほしかったです。(でもそうするとオリジナルの音を捧心するファンから文句が出るので出来ないことも理解できますが・・)これだったらYouTubeで聴けば充分なので、私、今回はCD買わないと思います。『Yellow Submarine Songtrack』の路線でリミックス盤がリリースされればよかったのに・・。残念。
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