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【知立市議会】2024/12/6 一般質問 杉浦弘一 ”林市政総括 - 未来への礎と残された課題”
林市長16年の功績と課題:市政を振り返って
林市政の概要
林市長は4期16年にわたり、知立市の発展に尽力されました。その間、社会経済の変化や財政の制約、住民ニーズの多様化といった多くの課題に直面しながらも、持続可能な都市づくりに向けて数々の施策を展開しました。その功績は、子育て支援から高齢者福祉、地球環境への配慮、市民参加型のまちづくりに至るまで幅広い分野に及びます。
1. 子育て環境日本一を目指した取り組み
林市長が掲げた「子育て環境日本一」の目標は、市民からも大きな注目を集めました。以下はその主な成果と課題です。
成果:
35人学級の先駆的導入
国に先駆けて市独自で全小学校全学年の35人学級を実施し、きめ細やかな教育環境を整備しました。子ども条例の制定
子どもの権利を尊重する理念の下、議会と連携して「子ども条例」を制定。子どもが安心して育つ社会を目指しました。乳幼児支援
赤ちゃんコーナーやブックスタートなど、図書館を活用した子育て支援が文部科学大臣表彰を受賞。これらは現在、全国的な模範となっています。児童発達支援センターと虹色ニコニコ事業
発達障害を持つ子どもへの支援を拡充し、切れ目のない子育て支援を提供しました。
課題:
中学校での35人学級の導入は財政的な制約から実現できず、林市長自身も「残念な思い」と述べています。
学校給食費の無償化も、近隣自治体で進む中で実現ができなかったことが心残りであると振り返りました。
2. 市民参加型まちづくり
林市長は「市民が主役」との理念を強調し、まちづくりへの住民参加を推進しました。
成果:
市民活動センターの設立
市民のアイデアを具現化する場を提供し、住民主体のイベントや活動が活発化。治療ドリームイルミネーションなどの定着
市民団体が主体となり、冬の風物詩を形成。地域コミュニティの活性化に寄与しました。無作為抽出名簿の作成
公平性を重視し、市民の声を幅広く政策に反映。
課題:
百人委員会の設置は未実現に終わり、林市長自身も「反省点」と認めています。
3. 財政規律を重視した市政運営
林市長は限られた財源の中での市政運営に注力し、「税金を大切に使う」という基本姿勢を貫きました。
成果:
総合グランドの凍結
知立駅周辺整備事業に資金を集中し、連続立体交差事業では約22億円の負担軽減を実現。
退職金カットの要望活動
16回にわたる愛知県市町村職員退職手当組合への要望を通じて、公約実現に向けた粘り強い姿勢を示しました。経費削減の徹底
市長交際費の全額カット、市長専用運転手の廃止、公共施設管理の効率化により、数千万円規模の経費削減を実現。
課題:
退職金カットの公約は最終的に達成できず、市長自身「忸怩たる思い」としています。
4. 安全・安心なまちづくり
林市長は防犯や防災分野でも多くの成果を上げました。
成果:
犯罪発生件数の大幅減少
就任当初の1882件(県内ワースト1)から、昨年末には486件へと激減。防犯灯の設置とLED化
市内に4500基以上の防犯灯を設置し、省エネ化を推進。防災インフラの整備
マンホールトイレや帰宅困難者用避難所の整備、消防団員の処遇改善に尽力。
5. 高齢者・障害者にやさしいまちづくり
誰もが安心して暮らせる地域づくりを目指し、幅広い福祉政策を展開しました。
成果:
手話言語条例の制定
西三河地域で初めての試みとして、障害者のコミュニケーション環境を改善。高齢者サロンの拡大
健康づくりや仲間づくりを促進する拠点を50カ所近くまで増設。認知症支援の充実
認知症サポーターの普及促進や、ゲートキーパー養成講座を実施。
6. 地球環境に配慮した施策
林市長は「持続可能な都市」の実現を目指し、環境政策にも注力しました。
成果:
環境美化推進条例の施行
犬の糞の放置禁止や罰則規定を設け、清潔な街づくりを推進。省エネルギー設備の導入支援
太陽光発電や蓄電池の補助事業を実施し、市民のエコ活動を後押し。エネルギー地産地消の推進
「刈谷知立未来電力株式会社」を設立し、地域内でのエネルギー循環を目指しました。
退任後の林市長の抱負
林市長は退任後も「一市民」として地域活動に参加し、老人クラブの活性化や自助・共助の強化に取り組む意向を表明しました。
次期市長への期待
林市長は、次期市長である石川氏に対し、「小さな声にも耳を傾ける市政」を期待し、「誰一人取り残さない治療づくり」を掲げる姿勢に賛意を示しました。
林市長の16年間は、知立市の基盤整備と新たな挑戦が織り交ぜられた重要な時期でした。その努力は市民にとって大きな財産となり、次期市政への道を切り開く礎となっています。