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梅田で1番安いホテル

 夏の高校野球を見に行くことになり、甲子園近辺のホテルを調べてみたら、やはり甲子園シーズンだからかどこも「1泊1万円」を超えていた。学生にはこの料金はしんどい。もっと安いホテル、できれば5000円~6000円の宿はないかと梅田駅周辺を調べてみた。見つかった。「1泊5,940円」。梅田エリアで断トツ安い。このホテルに泊まると即決した。何とか予算内のホテルを見つけることができてほっと一安心だったが、料金だけ見てパッと選んだため、ホテルの設備内容に目を通していなかった。目を通していたら1万円のホテルを選んでいたかもしれない。実際に行ってみたら、それぐらい恐ろしい設備内容だった。

 当日。20時前に新大阪駅に着き、夜ご飯を食べ、ホテルに向かった。梅田駅から地図アプリを見ながら歩いてホテルを目指したのだが、目的地に近づくにつれて何となく街の雰囲気が変わっていく。一言でいうと、治安が悪そう「立ちんぼ」と呼ばれる女性たちが細い路地に何人も立っていた。ネットニュースで見たことがあるが、実際に生で見たのはこれが初めてだった。手元の地図を見ると、「目的地まで50m」と書かれてあった。このホテル、梅田の駅近とはいえ立地が悪すぎる。

「立ちんぼ」

 ホテルに入って、フロントで宿泊料を払って鍵をもらい、部屋に向かう。エレベーターがかなり汚い。地元のカラオケ館の方が綺麗だぞ。そして部屋の前にたどり着き、鍵をさすと、中々開かない。「回しながら押してください」と書かれてあるとおりにやっても全然開かない。数分間格闘してようやく開いたが、これは僕が悪いのか?他のホテルではこんなにフラストレーション溜めることはない。なんか不親切だなぁと感じた。

エレベーター

 モヤモヤした気持ちで部屋に入ると、すぐに異変を感じた。コンセントが見当たらない。加湿器、ドライヤー、テレビ、エアコン、冷蔵庫などはあるが、宿泊者用のコンセントは1個も残されていない。現代の旅行におけるホテルの存在意義は、「睡眠」と「スマホ充電」でしょうが!時代に取り残されている。そして、当然のようにWi-Fiもない。「ホテルのベッドでゴロゴロしながら、YouTubeで明日の試合の予習をしよう」という当初の計画は頓挫した。仕方ないからテレビの導線をぶっこ抜いて、スマホの充電器を挿すことに決めた。

部屋の感じ①
部屋の感じ②

 少しイライラしたが、とりあえず新大阪からダラダラ流れた汗を洗い流すためにシャワーを浴びることにした。しかし、浴室もすごかった。タイルがひび割れていて見た目も汚いし、浴室の前の足場のマットも自分でタオルを敷かないといけなかった。ドアにバスタオルをかける取っ手もない。シャワーの温冷も遠目では判断できない。移動で疲れている体には優しくない。サービス精神、気遣いが圧倒的に欠落している

浴室の様子①
浴室の様子②

 シャワーを浴びたら、髪を乾かしに洗面所に行く。ドライヤーは動くのか、熱すぎたりしないかなどと一抹の不安を抱えながら恐る恐るドライヤーを手に取ると、口にホコリが溜まっているのが目に入った。勘弁してくれよ。百歩譲ってコンセントやWi-Fiがないのは設備の問題だからすぐにはどうにもできないけれど、ドライヤーを綺麗にすることぐらいは昨日今日でできたことでしょうが…まぁ、ドライヤーはちゃんと動いて、適切な温度でしっかり乾かすことができたのでよかったけれど。

ドライヤー

 風呂上り。テレビで「熱闘甲子園」を見ながら、コンビニスイーツを食す。一人旅の醍醐味と言っていい、至福のひと時。丸テーブルとイスをテレビの前に移動させてスタンバイ完了。しかし、照明が少なくて手元が見づらい。スイーツだから、ポロポロこぼれたりテーブルがベトベトしたりしやすいので、注意しながら食べたいのに暗くてよく見えない。しかたないのでスマホの懐中電灯機能を使って手元を明るくした。

この写真だと、スマホのカメラの明かりで綺麗に見えちゃっているが…

 スイーツを食べ終え、熱闘甲子園が終わり、翌朝の6時起きに備えて寝床につく。しかし、壁が薄いせいで廊下の酔っ払いカップルの話し声がモロ聞こえ。寝られない。結局、ベッド上でWi-FiなしでYouTubeを見て過ごし、睡魔が襲うのを待った。5時前にようやく眠くなり、1時間睡眠で甲子園へと向かうことになった。

 と、ここまでホテルについてグダグダと不満や文句を書き連ねたけれど、トータルで言うと、面白い経験ができたとポジティブにとらえている。なぜこの破格の価格設定なのかということが一晩過ごしただけで何となく分かり、勉強にもなった。そして、アパホテルなどで泊っている時には感じなかった有難みを感じることができた。これからホテルに泊まるときは、一つ一つの気遣いに目を向けることができるだろう

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