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人生の分岐点になったラグビー観戦
1997年11月23日に三ッ沢競技場で行われた花園出場をかけた神奈川県大会決勝戦・法政二高vs慶応高校の試合。
中学時代のラグビースクールの後輩2人が、法政二高の主力メンバーとして、決勝戦に臨むと聞いて会場に足を運んだ。
勝てば、法政二高としては、初の花園出場となる大一番。
中学まで同じチームでプレーしていた後輩たちが、たくましく成長し、花園という夢舞台をかけて躍動する姿に、すごく心をつかまれた。
感動する気持ちと誇らしさ、同時に「自分は今、何もしてないな」という、焦りだったり、ふがいなさのようなものも感じながらの観戦となった。
試合は、17対8で慶応高校の勝利。慶応高校のキャプテンは後の日本代表・野澤武史さんだった。
試合後、法政二高の敗戦に母校でもないのに泣けてきた。そして試合を見ていた時以上に後輩たちを誇らしく思えた。それくらい好ゲームだった。
この試合を見てまもなく、私はそれまで入っていたちょっとチャラ目のサークルを辞めて、ラグビーサークルに入った。
高校でラグビーから離れた理由の中に腰のケガがあり、さらに大学入学直前に膝の靭帯を痛めたこともあり、もうラグビーをすることも関わることもないだろと思っていたけど、後輩たちのプレーを見て、自分もラグビーをやりたくて仕方なくなってしまったのだ。
再びラグビーをはじめた結果、中学の頃以上にラグビーが大好きになった。それまでは居場所を見付けられずに悶々としていた大学生活も、ラグビーサークルに入ってからは、存分に楽しめた。新しいラグビー仲間もたくさん増えた。
あの試合を見ていなかったら、消化不良な思いを抱えたままラグビーと向き合うことになっていたかもしれない。
ラグビースクールの同期を集めた飲み会の幹事をすることも、ワールドカップで無邪気に熱狂することも、自分の子供にラグビーをさせることも、出身ラグビースクールでパパコーチをすることも、きっとなかったと思う。
そんなことを、野澤武史さんのfacebookにアップされていた1997年11月23日の法政二高vs 慶応戦の試合動画リンクを貼った記事を見て思い出した。
ラグビー観戦が人生を変えるきっかけになっていたなんて振り返るまで思いもしなかったなぁ。