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文章上達の3つのステップ
どうやったら文章はうまく書けるのか?
15年、編集者をしてきて常々考えてきたテーマです。
ちなみにここで考える「文章」は、人に読んでもらう、伝えることを前提としたものになります。
私自身は、文章は下手な部類に入る方なので、自分自身を振り返りつつ、仕事として他の方が書いたうまい文章を読んでいて感じたことをまとめます。
三段階のフェーズがある
まず文章を書く側には、大きく3つのフェーズがあると思います。
1.文章を書くことに慣れるフェーズ
2.文章を書くことを楽しむフェーズ
3.書いた文章で他人を楽しませるフェーズ
この辺は書いている自分自身でも自覚できるので、noteを始めたばかりの人は、自分は今どの段階にいるのかの目安にもなると思います。
この3つのフェーズは、さらに細かく段階分けができますが、3の境地になっていたら、書き手としては一人前と言えると私は思っています。
ただ、2のフェーズでも、読み手を自然と楽しませてしまう才能ある方々もいるので、あくまでも目安です。
「とにかく書く」が慣れるの最短ルート
1.文章を書くことに慣れるフェーズ
これについては、誰もが最初に通る道です。
・何を書けばいいのかわからない
・書きたいことが見つからない
・書きたいことがまとまらない
この辺が悩みになると思います。
まずは、日記でもいいから書いちゃいましょう。
いろんな人が言ったり、書いていることですが、何かを書く習慣ができると、ネタを見つける習慣も同時に養われます。
これはラジオの帝王・伊集院光さんも言っていました。
自分もまさに取っ掛かりはそうでした。
そこから段々、自分の「好き」なテーマが見えてきます。
また、短文でもOK!
自分の頭にあることを言語化し、紡いでいくのが文章を書くということなので、長い、短いかはこの段階ではあまり気にする必要はありません。
noteだったり、ブログだったり、facebookだったり、はたまた紙の日記帳やスマホのメモ機能でも、言語化する習慣ができてくれば御の字です。
半年くらい経てば、いつしか文章を書くことはそれほど苦ではなくなってくると思います。
文章を発表するのが楽しむ近道
2.文章を書くことを楽しむフェーズ
noteやfacebookは、文章を書くことを楽しむにはうってつけの場だと思います。
それは誰かに読んでもらえる場所だからです。
基本的に文章は、人に何かを伝えるためのものです。
それなら思いきって発表してみましょう。
イイネやスキが付けば、励みになり、向上心が湧いてきます。
自分の言いたいことが伝わったという実感は、一気に文章を書くことを楽しくさせてくれます。
ただし、イイネやスキの数を追いすぎると、本来的な意味での文章を書く楽しさから離れて、息苦しくなってくることもあるのでご注意ください。
イイネやスキの数は、1つの指標に過ぎません。
多いと嬉しいですけどね(笑)。
どちらかというと、このフェーズでは、自分が書いていて楽しいテーマをどんどん書いていくといいかもしれません。
書く時には、調べたり、いろんな情報に触れるので、どんどん知識が貯まっていき、気づけばそのテーマのちょっとした専門家に慣れたりもします。
これが次のフェーズで活きてきます。
楽しいと楽しませたくなる
3.書いた文章で他人を楽しませるフェーズ
いよいよ一人前のスタートと言えるフェーズです。
職業として文章を書いている方々はほとんどの人がこの境地だと思います。
逆にこの境地にある人なら、まだ仕事にしていなくても、書く仕事のスタートラインに立っていると思います。
話が逸れましたので戻りましょう。
文章を書く楽しさには、伝わる喜びにあると書きましたが、ある程度、伝える技術がついてくると、伝えられる量や伝えるパワーが増えてきます。
例えば、好きな作家さんの本の書評を書いたら、
「読みたくなって買っちゃいました!」
なんてコメントをもらうことも出てきます。
嬉しい反面、その書評を読み返したら、誤字脱字に気付いたり、伝わりにくい表現に気付いたり、情報不足を感じたり、反省点も見えてきます。
次はもっと良いものを届けたい!
何なら楽しませたい!
こうなると文章上達の好循環が生まれてきます。
よく伝わる文章の条件は、「誰に向けて書くかが明確になっているなもの」という話を聞きますが、楽しませたい相手がイメージできていると結果としておもしろい文章になりやすいです。
書評に共感してくれた読者の人でも、
いつもコメントをくれるフォロワーさんでも、
奥さんでも、旦那さんでも、
友達でも構いません。
万人を楽しませるなんて、
なかなかできるもんじゃありませんし、
楽しませているように見える人たちも、
実は明確な誰かをイメージしていたりもします。
職業としての書き手を目指すなら
最後は余談です。
いわゆるライターや作家、編集者の場合、もうちょっと求めらるものが増えてきます。
まずは結果責任。
ネットメディアならPV数、紙媒体なら売上部数、広告案件なら反響やCV数になります。
これを達成するために、事前にアイデアを出しあったり、企画を練り込んだり、記事を何度も書き直したり、さらにそれらを限られた時間でこなしたりと、結構大変です。
今の時代なら、SNSを使って記事を宣伝するなど、書いた後、読者に届かせることも書き手の仕事と言えます。
さらに広告案件の場合は、クライアント、編集部、読者の3方向に受ける必要があるので、より難易度は上がります。
次にメディアの求めるクオリティの担保。
結果責任は、チームプレイな部分もありますが、自分自身、書き手として一番しんどかったのが、原稿の書き直しです。
前職では、自分で原稿を書くことも多かったのですが、文章が下手だったこともあり、最初の頃は、デスクや編集長からリテイク(書き直し)の嵐。
最初に書いた原稿とまるで別物になっているということはザラでした。
例えば、読者さんから投稿してもらった写真に編集部からコメントを付けて、ページを作る1ページもののコーナーでは、OKが出るまで1日かかったなんてこともありました。
仕事として書く場合は、「1回書いて終わり」ではないことがしばしばあるので、そこはある程度の覚悟が必要です。
私がダメダメ過ぎた説もありますが…。
今は、編集者として現役ではないので、状況は変わっている可能性もありますが、職業としてやっていくとなると、純粋に書く力だけではない視点も必要になるのかなと思います。